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国会レポート
> 民主党国会レポート2004
|目次|
序文|
資料1|
資料2|
資料3|
【第1章】第157回〜159回国会の経過と特徴
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正直な政策と政治で政権交代に挑む!!
【第2章】『次の内閣』の活動
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1.予算
2.内閣部門
3.規制・人権・子ども部門
4.総務部門
5.法務部門
6.外務・防衛部門
7.財務金融部門
8.厚生労働部門
9.農林水産部門
10.経済産業部門
11.文部科学部門
12.国土交通部門
13.環境部門
【第3章】焦点となった法案への対応
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1.三位一体改革関連3法
2.裁判員の参加する刑事裁判法案
3.有事関連7法案・3条約
4.外為法・特定船舶入港禁止法
5.イラク特措法案
6.所得税法等の一部改正法案
7.金融強化法
8.地方教育行政組織法改正
9.年金抜本改革推進法案
10.鳥インフルエンザ・BSE対策法案
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11.審査迅速化のための特許法改正
12.高速道路関連法案
13.外来生物種規制法案
14.公益通報者保護等3法案
15.政治改革関連一括法案
16.DV防止法改正
17.児童虐待防止法改正
18.障害者基本法改正
第2章 『次の内閣』の活動
12 国土交通部門
景観緑三法案への対応
日本のまちづくりに関する国の行政は、景観よりも高層化・効率化を最優先し規制緩和を繰り返した結果、全体としてまとまりがなく、美しさという点では非常に問題がある状態になっている。欧州では厳しい規制によってどんなに小さな町でも美しい街並みが保全され、維持されているのとは対照的である。
ただし地方自治体の中には、歴史的景観や美しい街並みを保全するために、独自に景観保全のための条例を制定し、先進的な取り組みを行ってきたところもあるが、自主条例では、罰則を伴う厳しい規制が困難であったため、その意図に反して景観を破壊する建築物が建設されたり、裁判で争いとなる例が増えていた。
ところがここに至って、国においてもようやく景観保全の重要性を認識し、2003年7月に「美しい国づくり政策大綱」をとりまとめ、景観保全に法的規制を行うための景観法案が159回通常国会に提出された。自治体が定める景観計画において、建物の高さやデザインを制限できることとし、特に景観地区においては、是正命令・罰則を伴うなどが主な内容となっている。
国土交通部門においては、学者やまちづくりNPOなどからヒアリングを行うなど、日本の景観保全・まちづくり行政のあり方について積極的に議論を行った。そして、このような法案が提案されたこと自体は評価するが、公共事業を見直せない、地域の主体性を活かせない、規制緩和を止められない――などの点から不十分であり、(1)デザインは客観的な基準を示すことができないため、包括的な理念法(景観基本法のようなもの)が必要、(2)景観を守るために、都市計画法・建築基準法の抜本的な改正が必要、との考え方をとりまとめた。
これらの考え方に基づき、国土交通委員会での質疑がなされ、(1)景観法の政省令の制定に当たって地方公共団体の自主的な取組を阻害しないよう配慮する、(2)まちづくりNPOや専門家が適切に活用されるよう配慮する、(3)京都などの世界に誇る歴史的な価値を有した美しい都市の景観の回復・保全を図るため特段の配慮を行う、(4)地域在来の植物等の活用による緑化を推進する、(5)景観アセスメントシステムを確立する、景観形成ガイドラインの作成等を早期に行う、(6)景観に関する諸外国の制度も踏まえつつ、都市計画法及び関係法令等のあり方について検討を行う――などを内容とする附帯決議が民主党の積極的な提案により採択された。
今後、国土交通部門では都市計画法・建築基準法の抜本的な改正や景観基本法(理念法)の制定に向けた検討を進めることとなる。
航空保安体制の充実
2001年9月11日の米国における同時多発テロ事件以降、航空の安全を確保するために、今まで以上に航空の保安を確保する必要性がより高まっている。しかし、日本の現行法では、航空保安に関する関係者(国、空港設置管理者、航空事業者等)の責任範囲は不明確なままであるため、問題が生じた場合に責任の押し付け合いになるという事態が繰り返されてきた。
このような状況を踏まえて、航空の安全を確保するために、関係者の責務を法令上明記すること等が必要であり、民主党は(1)空港設置申請者の航空保安施設設置計画申請書記載と国土交通大臣による審査・完成検査、(2)飛行場管理者の保安基準に沿った航空保安施設管理義務と国土交通大臣による定期検査の実施、(3)空港運送事業者による航空保安検査の実施――などを内容とする「航空法の一部を改正する法律案」をとりまとめた。現在、政府も国家民間航空保安計画を策定中であり、政府の対応も見ながら、今後法案提出も視野に入れて検討を進めている。
高速道路無料化の具体化
2003年の総選挙において、民主党は経済活性化と地域再生の切り札として「高速道路3年以内原則無料化」をマニフェストに掲げ、多くの国民の支持を得たところである。
国土交通部門では、高速道路原則無料化実現のための詳細な制度設計と無料開放時の経済効果について、高速道路整備検討PTを中心に検討を進めた。そして、(1)道路は基礎的な社会資本であり、国民全体の共有財産であることから、高速道路は原則無料化すべきであるが、高速道路の円滑な利用を確保するため一定期間一部路線については料金徴収を行うことが妥当、(2)現在の約45兆円もの債務については道路特定財源の使途拡大等の見直しによって45年以内での返済が可能であること等が確認された。また、無料開放時の経済効果については、少なくとも国内旅行消費額は年間で3兆円の増加、それに伴う年間の税収は6000億円程度の増加が見込まれることが明らかとなった。
これらの結果も考慮し、高速道路原則無料化を実現するための方向性と枠組みを示した高速道路事業改革基本法案を、「民営化」とは名ばかりの政府の道路関係四公団民営化法案の対案として提出し(
詳細→
)、政府案の問題点を厳しく追及するなど国会で活発な議論を行った。
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