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国会レポート2005

第2章 『次の内閣』の活動

6.法 務

凶悪・重大犯罪の厳罰化

 政府は 161回臨時国会に、明治40年以来の抜本改正となる、集団強姦等罪の新設、殺人罪・傷害罪・危険運転致傷罪等の法定刑の引き上げを盛り込んだ「刑法等の一部を改正する法律案」を提出した。民主党は、再犯防止効果や刑務所の過剰収容の解消対策等について国会審議で質し、財産犯や性犯罪に係る法定刑の適正化等を求める附帯決議を付した上で、法案に賛成した。

裁判外紛争解決手続の枠組を創設

  政府は、司法制度改革の一環として、161回臨時国会に、裁判外紛争制度の理念と民間紛争手続業務の認証制度を定める「裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律案」(ADR法案)を提出した。民主党は、民間ADRによる紛争解決の公平性と質の確保、国民に利用しやすくすること等を質疑で質し、法案に賛成した。

企業による資金調達の円滑化

 政府が 161回臨時国会に提出した、企業の資金調達を円滑化するための2法案のうち、民主党は、根保証をした個人保証人を保護するために極度額の定めのない根保証契約を無効とする「民法改正案」に賛成した。一方、動産・将来債権の譲渡の登記による新たな対抗要件制度を設ける「債権譲渡の対抗要件に関する民法特例法改正案」は、労働債権の確保が困難になること、新たな資金供給の効果が薄いことから、反対した。

敗訴者負担法案を廃案に

  政府が159回通常国会に提出し、継続審議となっていた「民事訴訟費用等に関する法律の一部を改正する法律案」(敗訴者負担法案)は、原告・被告双方の合意による弁護士報酬等の敗訴者負担制度を導入する内容であった。敗訴した場合の負担を恐れた一般市民が裁判を起こしにくくなること、弁護士費用の敗訴者負担制が消費者契約、労働契約等の一般契約にまで広まることが懸念された。民主党は法案に強く反対し、161回臨時国会では、審議入りを許さず、ついに廃案に持ち込んだ。

刑事施設を一斉調査

photo 民主党は、川越少年刑務所、東京拘置所をはじめ全国 13ヶ所の行刑施設を一斉調査し、政府が162回通常国会に提出した「刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律案」に対し、4項目の修正を実現した(⇒参照)。

人身取引の防止に向けて

 政府は、162回通常国会に、人身取引の加害者の処罰、被害者の保護、人身取引・密入国の防止を目的に刑法、入管法、組織犯罪処罰法を改正する「刑法等の一部を改正する法律案」を提出した。民主党は、刑事罰が整備されることを評価する一方、被害者保護の措置が不十分であるとし、「人身取引被害者保護センター」の創設を主張するとともに、外国当局に情報提供する際の難民申請者の安全の確保等について質疑で質し、法案に賛成した。

商法の抜本改正

photo 政府は、 162回通常国会に60年ぶりの商法抜本改正となる「会社法案」を提出した。ライブドアによるニッポン放送株取得問題を受け、法案はにわかに脚光を浴びた。民主党は、「会社法プロジェクトチーム」を中心に法案の検討を進め、3項目の条文修正を実現した(⇒参照)。

人権侵害救済法案を提出

 わが国では、公権力による人権侵害、不当な差別や虐待が後をたたず、人権侵害を予防し、被害者が安心して迅速に救済を求められる制度の確立が急務である。民主党は、 2002年に取りまとめた法案大綱をもとに、「人権侵害による被害の救済及び予防等に関する法律案」(人権侵害救済法案)を策定し、162回通常国会に提出した。法案は、内閣府の外局として中央人権委員会、各都道府県に地方人権委員会を設置し、人権侵害に係る調停・仲裁等の手続を定め、報道機関等に対し、自主的な救済制度をつくる努力義務を課す内容であった。政府・与党は、「人権擁護法案」を再提出しようとしたが、自民党内の反対で実現しなかった。民主党案は、衆議院解散に伴い廃案となった。

共謀罪法案の成立を阻止

  159回通常国会より継続審議になっていた「犯罪の国際化及び組織化並びに情報処理に対処するための刑法等の一部を改正する法律案」には、共謀罪の創設、証人買収罪の創設、電子メール等の通信履歴の保全要請等、重大な問題が多かった。とりわけ、共謀罪は構成要件が曖昧で、600以上の犯罪について、犯罪の実行に着手しなくても団体の活動として実行する相談をしただけで犯罪とされ、捜査手法として通信傍受等の拡大を招く危険性があることから、民主党は強く反対した。政府案は、162回通常国会終盤に審議入りしたものの、衆議院解散に伴い廃案となった。

  政府は批判が強いにもかかわらず、163回特別国会にも同じ内容の法案を提出した。民主党は、政府案が国際組織犯罪条約の趣旨、わが国の刑法原則を逸脱していること等を国会審議で厳しく追及し、採決を阻止した。民主党は廃案を主張したが、与党の多数決により継続審議となった。