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国会レポート2005

第2章 『次の内閣』の活動

8.財務金融

違法年金担保融資対策法成立を主導

 公的年金受給権については、関係法令により、担保設定が禁止されている。しかしながら、現実には、年金証書や預金通帳、印鑑、キャッシュカードを預かるという形で、事実上、年金を担保にとった高利融資を行う金融業者が存在し、被害が拡大していた。この背景には、関係法令に罰則規定がなく、違法年金担保融資が放置されていることがあった。

 そのため、民主党は、 161回臨時国会において「貸金業の規制等に関する法律の一部を改正する法律案」(違法年金担保融資対策法案)を取りまとめ、与党との協議を重ねた。その結果、民主党案をベースとした成案ができあがり、衆議院財務金融委員長提案として成立した。

証券市場の信頼回復のため
法案を提出

photo  2004年秋に発覚した西武鉄道による有価証券報告書虚偽記載・インサイダー取引事件を皮切りに、証券市場の信頼性を揺るがす事件・不祥事が相次いだ。金融庁が上場企業など4,500社に有価証券報告書の自主点検を求めた結果、600社近くが訂正を行うなど、問題の根深さが浮き彫りになった。さらには、産業再生機構が2004年春に支援を決めたカネボウが、過去何年にもわたって粉飾決算を行っていたことが明らかになり、産業再生機構や金融庁、東京証券取引所の責任が厳しく問われる事態となった。

 これに加えて、ニッポン放送株をめぐるライブドアとフジテレビの買収合戦が、 162回通常国会の重要法案である会社法・証券取引法の審議にも大きな影響を与えることとなった。

 民主党は、間接金融から直接金融をより重視した金融システムを構築するには、公正な証券市場を確立することが必要不可欠であり、そのためには、米国証券取引委員会(SEC)にならった強力な日本版SECを設置する必要があるという考えから、改めて「証券取引委員会設置法案」を提出した。しかし、自らの権限縮小を嫌う金融庁の抵抗もあり、民主党案は否決された。

 一方、金融庁は、 159回通常国会で断念した有価証券報告書虚偽記載(継続開示義務違反)に対する課徴金制度の導入をめざし、162回通常国会において「証券取引法の一部を改正する法律案」を提出する構えだったが、内閣法制局の反対により、またしてもこれを断念することとなった。そして、改正点を、ライブドアによるニッポン放送株取得の際に問題となった公開買付(TOB)制度の見直しにそっくり入れ替えることとなった。これに対し、民主党は、継続開示義務違反に対する課徴金制度の導入は速やかに実現すべきものであると考え、政府案に対する修正案の準備に取りかかった。最終的に、与党側にも民主党と同様の意見が強かったことから、与野党共同の成案を得ることとなり、政府原案・修正案とも成立した。

偽造キャッシュカード等
対策法案を提出

 近年、偽造・盗難キャッシュカードによる不正な預金引き出し事件が急増し、社会問題となっている。そのため、民主党は、 162回通常国会において、「偽造キャッシュカード等対策ワーキングチーム」を設置して対策の取りまとめを急ぎ、「無権限預貯金等取引からの預金者等の保護等に関する法律案」を提出した。民主党案に対する与党の対案は、提出が3ヶ月近くも遅れ、盗難通帳が補償の対象とならないなど大きな欠陥があったが、与党案が成立し、民主党案は否決された(⇒参照)。

財政健全化プランの取りまとめ

 161回臨時国会において、民主党は衆参選挙のマニフェストや、3度の「民主党予算案」の考え方を踏まえつつ検討を進め、2005年7月に「財政健全化プラン」の中間報告を取りまとめた。

 その骨格は(1)改革の期間を 8年とし、改革終了時点において、国の一般会計のプライマリーバランスの黒字化を図る、(2)前半の4年間においては徹底的な歳出改革を行い、財政赤字補填のための増税はしない、(3)後半の4年間では、さらなる歳出改革を前提に、必要があれば歳入の改革に着手する――というもので、特に前半4年間の歳出削減については、「民主党予算案」を前提に具体的な削減項目・額を盛り込んだ。2005年の衆院選のマニフェストでは、これを反映する形で「3年間で10兆円削減」を掲げた。

その他重要課題への取り組み

  162回通常国会において財務金融部門では、 (1)公会計 (2)企業会計 (3)公的債務管理 (4)特別会計改革 (5)地域金融円滑化 (6)違法年金担保融資 (7)偽造キャッシュカード等対策の 7つのワーキングチーム、また(1) NPO・公益法人改革(2) 貸金業の2つのプロジェクトチームを設置し、当面する重要課題に取り組んだ。

 公益法人制度改革及び金融サービス法案についても、引き続き具体案づくりを継続していく。