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国会レポート2005

第2章 『次の内閣』の活動

9.厚生労働

政府年金改正法廃止法案を提出

 159回通常国会で自公与党が強行採決・成立させた政府年金改正法は、国民の年金に対する信頼、負担と給付の不公平を改善しておらず、進行する社会の変化に適応していない。そのため、民主党は改正法を一旦白紙に戻し、改めて年金の抜本改革をやり直すよう、160回臨時国会に「国民年金法等の一部を改正する法律を廃止する等の法律案」ほか3法案を提出したが、否決された。しかし、年金抜本改革は喫緊の課題であることから、161回臨時国会にも年金抜本改革法案を提出した(⇒参照)。

無年金障害者の救済へ第一歩

photo 159回通常国会に提出した無年金障害者救済に関する民主党法案と与党法案が、161回臨時国会において審議された。その結果、学生・主婦に対象を限定し、障害基礎年金の6割を支給する与党案が成立し、同時に民主党が求める在日外国人・在外邦人の救済も早期に検討を行う旨の附則修正が行われた。民主党は162回通常国会に、「無年金問題ワーキングチーム」を設置し、「特定障害者に対する特別障害給付金の支給に関する法律の一部を改正する法律案」(無年金障害者救済法改正案)を提出した。

医療財源の不安定化

 162回通常国会に政府から提出された「国民健康保険法等の一部を改正する法律案」は、国民健康保険財政において、従来国が負担してきた部分を縮小し、都道府県に肩代わりさせようとする内容だった。国保の補助金削減については地方6団体の補助金改革提案にも含まれておらず、財源を移譲しても地方に裁量の余地がないこと、医療制度改革と切り離した財源変更の適否、そして国保と関係のない基礎年金の国庫負担比率の引き上げを法案に紛れ込ませるなどの問題があり、民主党は政府案に反対した。

介護保険施行5年目の見直し

 施行後5年が経過し、162回通常国会に「介護保険法等の一部を改正する法律案」が政府から提出された。「筋トレ」の強制や家事援助サービスのカットなどが懸念されたが、民主党は介護保険利用者の利便性が低下しないことを確認し、介護予防事業の見直し規定や、権利擁護事業の必須化について修正を実現し、法案に賛成した(⇒参照)。

高齢者虐待防止法案が成立

 介護保険法改正とあわせて、介護現場での虐待に対応する法律が必要との認識から、民主党は「高齢者虐待防止プロジェクトチーム」を設置し、行政の役割の明確化、虐待防止措置、介護者が虐待に至らないようにする支援策をまとめ、 162回通常国会に「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律案」を提出した。与党も独自案を提出したが、解散により両案とも廃案となった。163回特別国会では両法案の一本化協議が行われ、民主党の主張を全面的に盛り込んだ法案が衆議院厚生労働委員長提案として成立した。

障害者福祉の後退

photo 政府が162回通常国会に提出した「障害者自立支援法案」は、利用者への定率負担導入のほか、サービス水準が引き下げられる恐れがあるなど問題が多かった。民主党は障害者団体の要望を受け、与党に抜本的な修正を求めたが、与党が拒否したため、政府案に反対した。解散により廃案となったが、163回特別国会に政府案が再提出された。民主党は対案として、「障害者の自立の支援及び社会参加の促進のための身体障害者福祉法等の一部を改正する法律案」を提出したが、否決され、政府案が成立した(⇒参照)。

 162回通常国会に政府から提出された「障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律案」については、民主党の指摘により在宅就業支援団体の登録拒否要件を拡大する修正が行われ、賛成した。

アスベスト総合対策の推進を提起

 建築材料をはじめ広く使用されているアスベストによる健康被害が大きな社会問題となっている。 162回通常国会では、特に長期にわたる潜伏期間を経て発症する「中皮腫」などで死亡した人の労災認定が、「死後5年」の時効の壁に阻まれていることが明らかとなった。そこで民主党は、「総合雇用対策プロジェクトチーム」を中心に議論を重ね、時効期間が経過しても、一定要件のもとで労災保険給付の請求ができるよう議員立法(「労働安全衛生法等の一部を改正する法律案」)を提出したが、 廃案となった。

  163回特別国会では、民主党はアスベスト問題について、 過去の行政責任、健康被害対策、既存アスベスト対策を含め、法律に基づいた総合的かつ一体的な内容が必要との観点から、 「石綿対策の総合的推進に関する法律案」を政府・与党にさきがけて提出した。これは国、地方公共団体及び事業者の責務を明らかにするとともに、アスベスト対策推進のための基本方針などを定める内容で、あわせて具体的な政策提言「民主党は『ノンアスベスト社会』をつくる」を発表した。民主党案は継続審議となった(⇒参照)。