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国会レポート2007

第二章 『次の内閣』の活動

1憲法調査会


2007.4.12 衆議院憲法調査特別委員会で
国民投票法案について答弁する民主党案提出者


2007.5.8 参議院に国民投票法案の対案を提出

 衆議院では、164回通常国会から継続となっていた与党提出「日本国憲法の改正手続に関する法律案」と民主党提出「日本国憲法の改正及び国政における重要な問題に係る案件の発議手続及び国民投票に関する法律案」について、166回通常国会で与党が与党案・民主党案の併合修正案を提出、民主党も独自の修正案を提出したが、強行採決により与党の併合修正案が可決された。続く参議院でも与党併合修正案に対して民主党は対案を提出して論戦を繰り広げたが、最終的に与党併合修正案が可決・成立した。(詳細→

参考人質疑など踏まえ与野党が法案修正を表明

 衆議院日本国憲法に関する調査特別委員会では、165回臨時国会で9回の特別委員会と5回の小委員会を開き、国民投票運動規制、罰則、メディア規制、国民への周知広報、国会法改正部分、国民投票の対象、投票権者の範囲、投票における過半数の意義等の個別テーマごとに参考人意見聴取や自由討議などの審議を行った。165回臨時国会最後となる9回目の特別委員会では、両案提出者それぞれが審議を踏まえ法案修正について意見を表明した。その内容は、(1)識者や他の野党の指摘を踏まえ、与党・民主党いずれも公務員の政治的行為規制から国民投票運動を除外すること、無料放送広告枠を賛否平等にすること、施行期日を公布3年後とし、それまでは調査に専念するものとすること、(2)与党が民主党に歩み寄り、投票年齢を18歳以上とすること、運動制限がかかる特定公務員の範囲を投票関係者に限定すること、(3)民主党が与党に歩み寄り、与党が18歳投票を受け入れる場合には16歳以上の投票権を認める特例を削除すること、等であった。

安倍首相指示による
衆議院特別委での強行採決

 166回通常国会では、安倍首相が年頭所感などで自らの任期中に憲法を改正するとし、国民投票法案の早期成立を与党に指示した。これを受け、与党は3月27日「与党と民主党の間にはほとんど違いがなくなっている」として与党原案と民主党原案を併合して一本化する修正案を単独提出した。これに対し民主党案提出者は「首相の妄言のために2006年末までの与野党間での建設的議論がすべてぶち壊しになった。『ほとんど違いはない』と言うが、なお相違点は少なくなく、引き続き議論すべきだ」と与党を厳しく批判した。

 与党の併合修正案は、(1)国民投票の対象はあくまで憲法改正に限定し、「憲法改正を要する問題及び憲法改正の対象となり得る問題についての国民投票制度」に関しては、その是非等を憲法審査会で検討、(2)18歳投票権については、公職選挙法の選挙権年齢や民法の成年年齢の引下げ等の関連法制の整備を行うこととし、これらが施行されるまでの間は投票権を20歳以上とする経過措置を置く、(3)国民投票運動に対する国家公務員法等の政治活動制限規定の適用除外については定めず、法施行までに憲法改正に関する賛否の勧誘その他の意見表明が制限されることとならないよう関係法令の規定について検討し、必要な法制上の措置を講じる、などとしているが、(1)は憲法改正以外の国民投票について「検討するが何もしない」という選択肢を残すものであり、(2)は国民投票法施行までに公選法や民法の改正がなされないこともあり得るとするものであり、(3)は公務員関係の労働組合の組織的運動は認めるべきでないとする与党内の意見を踏まえた先送りだった。これらは165回臨時国会での与党の修正意見から大きく後退するものと言わざるを得ない。

 2回の公聴会、2か所での地方公聴会を経て両法案の修正議決を求める与党の圧力が高まるなか、民主党は4月10日、与党修正案との相違点を明確にするため、独自に民主党原案に対する全面修正案を提出した。

 民主党修正案では、上記3点について(1)国民投票の対象については、国政の重要問題のうち、「憲法改正の対象となり得る問題、統治機構に関する問題、生命倫理に関する問題その他の国民投票の対象とするにふさわしい問題として別に法律(本法施行までに整備)で定める問題」を対象とする、(2)18歳投票権については、公選法の選挙権年齢や民法の成年年齢の引下げ等の関連法制の整備を行うこととし、特に経過措置は設けない、(3)国民投票運動に対しては国家公務員法等の政治活動制限規定を適用除外とする、としたが、4月12日、第5回の特別委員会で民主党修正案の提案理由説明からわずか3時間後に特別委員長が職権で質疑終局を宣言し、野党委員が強く抗議するなか、与党単独での採決を強行した。

参議院で与党案が可決・成立

 与党修正案によって併合修正された両原案は衆議院から参議院に送付され、4月16日の本会議趣旨説明・質疑後、日本国憲法に関する調査特別委員会で12回の特別委員会、4か所での地方公聴会を開催。民主党は5月8日に衆議院の民主党修正案の内容に加え、衆参両院の特別委員会での審議を踏まえて(1)憲法改正国民投票において国民の承認がなかった憲法改正案と同一の憲法改正原案の発議に当たっては、当該憲法改正国民投票の結果を十分に考慮すること、(2)合同審査会の円滑な運用と活用のため、各議院の憲法審査会の会長は、合同審査会経過及び結果を憲法審査会に報告しなければならないものとすること、を内容とする法案を対案として提出したが、同11日に質疑が終局となった。民主党案は否決され、衆議院送付案が与党の賛成多数で可決・成立し、民主党と与党の提案により(1)成年年齢に関する公職選挙法などの関連法令について、本法施行までに必要な法制上の措置を完了するように努めること、(2)憲法改正原案の発議に当たり、内容に関する関連性の判断は、判断基準を明らかにし、外部有識者の意見も踏まえ、適切かつ慎重に行うこと、(3)憲法審査会において本法施行までに最低投票率制度の意義・是非について検討を加えること、等の附帯決議を行った。

憲法対話集会を名古屋、岡山等で開催

 民主党は、2005年10月にまとめた『憲法提言』を踏まえ、全国の11ブロックで憲法対話集会を行うこととし、2006年中に名古屋、岡山等の5会場で開催した。集会には毎回200人前後が参加し、党憲法調査会長ら民主党側出席者との間で熱心な議論が繰り広げられた。残る地域についても今後開催する方針である。