第二章 『次の内閣』の活動子ども・男女共同参画2006.11.29 公設民営型の駅前保育所視察 2006.11.1 いじめ問題調査団現地視察 子ども・男女共同参画調査会では、チルドレン・ファースト(子ども第一)の方針を掲げ、様々な政策立案に取り組んだ。 また、子どもや家族に関する政策は、多くの分野に関連するため、内閣、法務、厚生労働、文部科学の各部門などと連携して「いじめ問題」、「嫡出推定制度の見直し」等について議論を深めるなど、幅広い活動を行った。 ライフスタイルの多様化が進み、子どもの数も減少する中、社会のあり方が変わってきている。安全に、安心して子どもたちが育ち、子育てのできる環境への対応、均等で柔軟なはたらき方のできる社会、そしてワークライフバランスの実現を目指し、子ども政策、男女共同参画政策を充実させていく。 民主党「子ども手当」の拡充子どもが育つ環境の変化や、保護者の経済的負担が大きくなる状況の中、民主党は、2007年3月、従来の「子ども手当」政策を見直し、出生順位にかかわらず義務教育修了までの子ども一人当たりに月額2万6千円を支給する政策の発表を行った。(詳細→) 児童虐待防止法改正への取り組み民主党は、児童虐待事件の増加、深刻化に対応し、特に子どもの人権擁護、虐待を受けている児童の安全確認と早期救済などを主な柱として、児童虐待防止策への取り組みを続けてきた。 2007年166回通常国会では、2000年に成立した「児童虐待の防止等に関する法律」の見直しが課題となった。民主党は、有識者からのヒアリング、児童相談所の視察などを行い、実効性のある児童虐待防止策について議論を重ねた。 その結果、民主党主導のもと、(1)虐待が疑われる場合に保護者に出頭命令を出し、従わない場合には裁判所の令状をとって児童相談所が警察の援助により住居に立ち入り、児童の安全を確認できること、(2)保護者に対する面会・通信等の制限の強化、等の法改正が、衆議院青少年問題特別委員長提案として全会一致で成立した。 子どもの安全・安心を守る学校や通学路での事件や事故が続発するなど、子どもを取り巻く環境が脅かされている。また、インターネットの普及などにより、子どもたちは違法・有害情報に簡単に触れることができる環境にあり、実際に事件に巻き込まれるなどの被害も後を絶たない。 民主党は、子どもの安全対策を強化するため、2006年165回臨時国会において、携帯電話事業者等に対し、違法・有害サイトへの接続制限サービスに関わる説明義務を課す「電気通信事業法の一部を改正する法律案(携帯電話有害サイト接続制限法案)」を提出したが、審議に至らず継続審議となった。また、166回通常国会では、学校内外の安全対策を図るための「学校安全対策基本法案」を2006年の164回通常国会に引き続き再提出したが廃案となった。 さらに、166回通常国会では、政府より、幼児を自転車の補助いすに乗せる際のヘルメット着用を努力義務とする「道路交通法の一部を改正する法律案」が提出され、全会一致により成立した。この問題は、民主党が政府に先駆けて2004年159回通常国会より、ヘルメット着用を義務づける「道路交通法の一部を改正する法律案」を提案しており、政府がようやく重い腰をあげたものである。 実効性のあるDV防止対策の実現を2007年は「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律(DV防止法)」の見直し時期にあたり、民主党は被害当事者や支援者の声を踏まえた「DV防止法改正案骨子」を5月に取りまとめた。 166回通常国会においては、超党派レベルでDV防止法改正の検討がなされた。最終的に超党派議員立法は、DV防止対策としては不十分ながらも、民主党案と共通する部分があり、被害者関係団体も早期改正を求めていたことから、参議院法務委員長提案として全会一致により成立した。 民主党は、今後の課題として、(1)加害者に対する処罰の適正化、更正プログラムの実施、(2)適用対象の範囲の拡大、(3)医療機関による通報規定の強化、(4)外国人被害者の保護などについて、見直しに取り組む。 生殖補助医療について党内議論代理出産などの生殖補助医療のあり方が社会的な問題となっている。生殖医療技術の発達により、施術が可能となっても、日本には生殖補助医療に関する法律が存在せず、医師側の自主規制に委ねられているためである。 民主党は、現状の問題点や、諸外国の立法・状況等について専門家等からのヒアリングを行うとともに、党内議論を続け、2006年12月に「生殖補助医療に関する論点整理」を『次の内閣』に中間報告した。 この報告は、生殖補助医療の実施できる範囲や、その際の親子関係の決定等について論点をまとめ、今後必要とされる法規制と問題点について考察を行ったものである。今後は、基本法制定も視野に入れ、取り組みを進めていく。 柳澤大臣の「女性は産む機械」発言に抗議2007年1月から2月にかけて、柳澤厚生労働大臣は「女性は子どもを産む機械」、「結婚し、子ども2人以上持つことが健全」など女性の人権を否定するかのような極めて不見識な発言を繰り返した。少子化への対応や、子育て支援を行う担当大臣としてとても考えられないものであり、子どもを産み育てやすい社会をつくってこなかった政府自らの責任を棚に上げた許しがたい発言である。 これに対し民主党は、他の野党とともに国会内での集会や街頭演説会などを開催し、また柳澤大臣の辞任を要求する申し入れを行うなど強く抗議を行った。 保育所と児童相談所を視察子どもを取り巻く環境を理解し、保育のニーズに応えられる政策立案を進めるため、2006年11月には、東京都内の企業内保育所、千葉県内にある公設民営型の駅前保育所、また児童相談所の視察を行い、現場で働いている方々との意見交換などを行った。 |
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