コンテンツを再生/利用するにはプラグインが必要です。

民主党サイトアーカイブ

現在のウェブサイトはこちら
2011年6月22日以前の情報その他で、新サイトに盛り込んでいないデータを掲載しております。
アーカイブTOP > アーカイブス(過去の政策 その他) > 国会レポート > 民主党国会レポート2007
国会レポート2007

第二章 『次の内閣』の活動

1農林水産


2007.4.28 ドイツの林業を視察


2007.6.1 日吉町(京都府)の林業を視察

 農林水産部門では、農林漁業再生本部、森林・林業再生プロジェクト、BSE問題対策本部、高病原性鳥インフルエンザ対策本部、農業者等のための農協等改革本部、官製談合追及・公共調達適正化対策本部、カネミ油症対策プロジェクトチームと連携し、幅広い政策分野における政策立案・国民運動を展開した。

 特に、森林・林業政策を最重点課題と位置づけ、国内外の視察をはじめ、有識者のヒアリングを実施し、持続可能な森林経営の推進の観点から民主党の森林・林業政策「森と里の再生プラン」を策定した。また、カネミ油症対策、農協組織のあり方などを含め、議員立法の取りまとめ等に全力を傾注した。

「森と里の再生プラン」を策定

 2006年11月、森林・林業再生プロジェクトは、産業としての林業が成り立っている数少ない林家(三重県北牟婁郡紀北町)の視察や、森林組合・木材連合会等との意見交換を行った。

 2007年4月には、ドイツ・フランスに視察団を派遣した。フォレスター養成大学視察(ロッテンブルク)、黒い森南端(スイス国境近く)の施業現場視察(ゲルスバッハ)、黒い森中部の個人所有林視察(バートペータースタール)、黒い森の製材工場視察、オルレアン近郊の小麦・とうもろこし生産農家の視察、地元農家との意見交換などが行われた。

 人件費が日本と変わらず、遠距離輸送が必要なドイツから、かまぼこ板になる木材を日本に輸出しているなどの事例があり、日本の林業が効率よく木材を出荷するシステムとして成り立っていないこと等を再認識し、視察の成果を政策立案に活かすこととした。

 また同年5月、同プロジェクトは、京都府日吉町の森林組合を訪れ、施業中・施業完了後の現場の視察、作業者との意見交換・質疑応答などを行った。

 6月には、岡山県真庭市を訪れ、木質バイオマスのガス化に携わる企業を視察し、シンポジウム「林業再生への提言―21世紀は緑のエネルギーで生きる」を開催し、同市において「森と里の再生プラン」を発表した。

戸別所得補償制度について議論

 農林水産部門は、政策部門と運動部門が連携して活動を展開しているが、農林漁業再生本部では、2006年12月に北海道斜里郡斜里町、石狩郡当別町を訪れ、日豪EPAや、164回通常国会において成立した政府の担い手経営安定新法の問題点について、調査と意見交換を行った。2007年2月に千葉県成田市、3月には青森県弘前市を訪れ、民主党農林漁業再生プランの説明、地域関係者との意見交換などを積極的に行った。また166回通常国会では、4月に施行される政府の担い手経営安定新法に対する質疑を通じて、民主党の戸別所得補償制度の優れている点を明らかにする観点から、政府案が大規模農家に対象を限定する結果自給率低下をもたらす等の問題を明らかにした。

高病原性鳥インフルエンザ対策

 2007年1月、宮崎県での高病原性鳥インフルエンザ発生を受け、高病原性鳥インフルエンザ対策本部を設置した。同本部は、宮崎県清武町を訪れ、孵卵場の視察、町長及び担当者との23懇談などを行い、その成果を活かして、政府など関係者に対して万全の対策を講じるよう働きかけてきた。

米国産等牛肉輸入再開問題への取り組み

 食の安全・安心についても積極的に取り組んできた。20ヶ月齢以下の米国産等牛肉の輸入再開について、民主党は一貫して、国民の食の安全・安心を無視するものであるとして中止を求めており、「輸入牛肉に係る情報の管理及び伝達に関する特別措置法(輸入牛肉トレーサビリティ法)改正案」、「牛海綿状脳症対策特別措置法の一部を改正する法律案」(BSE対策法)を提出している。さらに、2007年6月には、民主党をはじめとする野党の主催により、「月齢30ケ月以下米国産牛肉のなしくずしの輸入に反対する国民集会」が開催され、多くの消費者団体、農業団体、有識者などが参加した。

緑資源機構をめぐる入札談合事件に厳しく対応

 2007年5月、農林水産省所管の独立行政法人「緑資源機構」が発注する林道整備の調査業務をめぐる入札談合事件で、同機構理事らが独占禁止法違反の疑いで逮捕される事件が起こった。また、「政治とカネ」の問題で厳しく追及してきた松岡農林水産大臣(当時)に対して、本件に関する重大な責任があることから辞任を求めるなど、委員会の質疑等においても様々な角度から政府の姿勢を質し、再発防止を強く求めてきた。

議員立法の制定等

 民主党は、食品公害「カネミ油症事件」に対して抜本的な対策・法案を提案してきた。165回臨時国会において、全ての被害者を救済の対象とし、抜本的な救済を図るため、「カネミ油症被害者に対する特別給付金の支給に関する法律案」を提出した。166回通常国会において、当面の対策として、損害賠償請求訴訟で国が過去に患者側に支払った仮払金の返還を免除する「カネミ油症事件関係仮払金返還債権の免除についての特例に関する法律案」を超党派議員立法として成立させた。(詳細→

 農業者等のための農協等改革本部とも連携し、農協のあり方についての論議を深めた。3事業を総合的かつ一体的に行うこと、事業運営の透明性を確保すること、組合を特定政党のために利用してはならないこと、会計帳簿の閲覧請求規定を設けること、等を含めた農業協同組合法等の改正について検討した。

 シラスなどの特殊な土壌で覆われ、災害が発生しやすく、農業生産にも不利な地帯への対策事業を延長する観点から、「特殊土じょう444地帯災害防除及び振興臨時措置法の一部を改正する法律案」が166回通常国会において、衆議院農林水産委員長提案の議員立法として成立した。日豪EPA交渉について、民主党は、2006年12月、戦略もビジョンもなく拙速に、豪州とのEPA(経済連携協定)締結交渉入りを決めた政府の姿勢を批判する談話を発表した。こうした趣旨をふまえ、衆参の農林水産委員会において、民主党も含めた超党派で日豪EPAに関する決議を行った。