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国会レポート2007

第二章 『次の内閣』の活動

1厚生労働


2007.5.25 社保庁改革関連法案の衆院委員会強行採決


2007.6.28 社保庁改革関連法案の参院委員会強行採決

 厚生労働部門では、政府が提出した社会保険庁改革法案や労働関連法案等について、衆参厚生労働委員会で徹底的な論戦を挑み、厚生労働省所管の政府提出法案15本のうち5本の成立を阻み、継続審議に持ち込んだ。

「改革」に値しない政府の社保庁改革案

 166回通常国会に提出された政府の社会保険庁改革関連法は、社会保険庁を「日本年金機構」という特殊法人に看板を掛け替え、また年金保険料の年金支給以外への流用を恒久化するなど、到底「改革」と呼べるような内容ではない。これに対し民主党は、年金制度への信頼回復こそ社会保険庁改革の本質であるとの観点から、「歳入庁設置法案」、「年金保険料流用禁止法案」、「『消えた年金』被害者補償法案」を提出した。(詳細→

民主党の追及で「消えた年金」問題が発覚

 民主党が「年金記録問題」を国会で最初に取り上げたのは2006年6月である。そして2007年2月に年金記録の調査報告書が提出されたことにより、誰の記録か確認できない納付記録が5,000万件以上あることが明らかになった。

 民主党は、年金記録の管理実態が明らかにされないまま社会保険庁が解体されれば、この問題は放置され、被害者への補償がうやむやになるおそれがあると考え、「消えた年金」問題の徹底的な調査による全容解明を求めた。

 当初政府は、受給申請のときに記録は確認され、問題はないとして「いたずらに不安を煽るべきではない」と民主党を非難した。しかし内閣の支持率が急落すると、政府は対策を急ごしらえし、問題の幕引きを図ろうとした。

審議不十分なまま強行採決

 民主党は、「消えた年金」問題の全容解明を急ぐとともに、社保庁を解体するまでに全面解決をするべきだと主張した。政府の社保庁法案では「消えた年金」問題は全く考慮されておらず、問題がうやむやにされる可能性が高いからである。しかし政府・与党は、記録のずさんな管理の全容も明らかにならないうちに、審議時間を消化したという理由で社会保険庁改革法案の強行採決に及んだ。

 さらに政府・与党は、かねてより、政府は民主党が求める時効撤廃に反対してきたが、その方針を突如、転換した。そして、たった1日で「年金時効特例法案」をつくり、その翌日わずか4時間の審議時間で再び強行採決に及んだ。民主党は時効撤廃そのものには賛成だが、自民党厚生労働委員会筆頭理事が時効撤廃をもって「年金記録問題は全面解決」と発言するなど、政府与党がこの問題をうやむやにしようとする姿勢が明らかであったため、法案の採決に反対した。

真の被害者補償に取り組む

 その後政府は、さみだれ式に年金記録問題に対する「対応策」を発表したが、安倍首相自ら2007年2月に問題を認識したと言いながら何ら対応しなかった責任は重い。民主党の追及と世論の高まりに慌てた場当たり的な対応によってさらに混乱し、年金に対する国民の不安と不信を一層高める結果となった。民主党は、「消えた年金」問題の全容解明と全面的解決にむけて、引続き政府を厳しく追及・監視していく。

障害者福祉サービス応益負担の凍結へ

 障害福祉サービスの定率1割負担(応益負担)を導入する障害者自立支援法が2006年4月に施行されると、負担増の影響でサービス利用の中止や利用回数削減、自立支援施設の経営難が生じた。これを受け、民主党は、応益負担の凍結を柱とする「障害者自立支援法及び児童福祉法の一部を改正する法律案」を165回臨時国会に続き166回通常国会に提出し、継続審議となった。

新たな「はたらき方」を提案

 民主党は、2006年12月に「民主党のめざす労働契約法案と労働時間法制」を取りまとめた。同月、「はたらき方調査会」を設置し、政府が166回通常国会に提出した労働関連法案への対応を取りまとめた。6本の議員立法を策定した。失業給付等の国庫負担を大幅に削減する「雇用保険法改正案」は、国が雇用対策に対する責任を放棄しているとし、反対したが政府案が成立した。政府の「雇用対策法等改正案」の対案として、「雇用基本法案」(詳細→)、「募集採用における年齢差別禁止法案」、就職氷河期に社会に出た若者を中心に集中的な就労支援を行う「若年者職業安定特別措置法案」を提出した。また、最低賃金を大幅に引き上げる「最低賃金法改正案」を政府案の対案として提出した(詳細→)。また、労働契約における労使合意の原則を確立し、個別労働紛争を防止するため、労働契約の成立、変更から終了に至る手続と内容を定める「労働契約法案」を策定した。

すべてのパートを正社員と均等待遇に

 政府提出のパート労働法改正案は、その存在すらも実証されていない「正社員と同視すべきパート」だけを差別的取扱い禁止の対象とした。残り大多数のパートについては、均衡処遇の努力義務のみで、かえって労働条件の格差を固定化する懸念さえあった。民主党はすべてのパートを対象とした、「パート労働者の均等待遇推進法案」を対案として提出したが、与党は委員会採決を強行し、政府案が成立した。

介護福祉士等の質の向上をめざす

 政府が提出した「社会福祉士介護福祉士法改正案」は、国家資格取得方法を一本化するものだったが、法案提出直前に、養成施設を卒業しても国家試験に合格しなかった者、経済連携協定に基づいて受け入れられるフィリピン人に「准介護福祉士」という新たな資格を与える規定が加わった。曖昧な位置づけの資格の創設で介護現場が混乱する、労働条件の引上げの妨げになる等、問題が多い。参議院の審議で民主党が要求した准介護福祉士の創設を見直す法案修正が実現したが、衆議院で継続審議となった。

抜本的な救急制度改革を提案

 民主党は、救護・搬送の迅速化・効率化及び救急業務の高度化を図るため、救急業務と救急医療の連携の強化、ドクターカー、ドクターヘリの配備等を柱とする「救急制度改革法案」を166回通常国会に提出した。一方、与党はドクターヘリの全国配備を提案した。救急制度改革に向けた委員会決議を採択した上で、参議院厚生労働委員長提案として「救急医療用ヘリコプターを用いた救急医療の確保に関する特別措置法案」を成立させた。