第二章 『次の内閣』の活動文部科学2007.2.7 教育基本問題調査会において議論 2007.4.17 教育力向上3 法案を衆院に提出 文部科学部門は、2006年の165回臨時国会において、民主党独自の「日本国教育基本法案」をもとに教育基本法見直しの議論を行うとともに、いじめや未履修問題への対応、政府タウンミーティングにおける“やらせ質問”問題の追及などに取り組んだ。また、2007年の166回通常国会では、政府の教育関連3法案に対し、「学校教育力向上3法案」を提出して、貧弱な政府案に対し、本質的な問題を提起し、審議に臨んだ。 自公与党が政府の教育基本法案を強行可決2006年の164回通常国会から継続審議であった政府の教育基本法案が、165回臨時国会において与党により強行採決され、成立した。 衆参両院の「教育基本法に関する特別委員会」の審議では、「いじめ・未履修・やらせタウンミーティング」の3点セットが大きな問題となり、文部科学省など政府のずさんな対応や責任の所在が不明確になっていることが明らかとなった。 教育基本法の議論では、民主党は参議院において、「日本国教育基本法案」に加え、その考え方を具体化した「地方教育行政の適正な運営の確保に関する法律案」、及び「学校教育の環境の整備の推進による教育の振興に関する法律案」を提出して、政府案と並べての徹底した審議を求めた。 最終的に、衆参両院とも与党により、採決が強行され、民主党は与党の強引な国会運営に強く抗議したものの、政府案が成立した。民主党の「日本国教育基本法案」ほか2法案は廃案となった。 いじめ問題への対応児童・生徒のいじめが原因とみられる自殺が相次いで起き、深刻な社会問題となっている。民主党は2006年10月から11月にかけて、北海道や、岐阜・福岡両県へ調査団を派遣し、いじめ被害児童・生徒のご親族、学校関係者、教育委員会等と意見交換を行った。こうした事件を二度と繰り返さないよう社会全体で問題解決にあたるべきである。民主党は、学校理事会を設置し、学校と地域が主体となり、問題解決に努められる仕組み、教育現場における責任所在の明確化などを提案し、いじめの未然防止や早期解決を図れるよう取り組んでいく。 高校の未履修問題について申し入れ2006年秋、高等学校等における必履修科目の未履修問題が全国的な広がりを見せ、大きな社会問題となった。民主党は、165回臨時国会において、これまでの文部科学省の姿勢や対応について厳しく質すとともに、何ら責任のない生徒の不利益にならないよう、党として、対応策及び今後の課題等を「高校必履修科目の履修漏れ問題に対する当面の対応について」として取りまとめた。その上で、政府にしっかりした対応をとるよう、2006年11月1日、伊吹文部科学大臣に申し入れを行った。 「学校教育力向上3法案」を提出政府は、2007年166回通常国会に、教員免許更新制や教育行政に対する国の関与を強める等の「教育再生関連3法案」を提出した。民主党は、政府案に対し「学校教育力向上3法案」を提出して国会審議に臨んだ。(詳細→) 学校の耐震化促進を提案学校は、子どもたちの学びの場・生活の場であると同時に、災害時においては地域住民の緊急避難場所としても活用されている。しかし、その公立小中学校施設の耐震化が遅々として進んでおらず、耐震化促進は喫緊の課題となっている。文部科学省の「公立学校施設耐震改修状況調査(2007年4月)」によれば、公立小中学校の昭和56(1981)年以前建築施設の34.8%で耐震改修を終えておらず、いまだに耐震診断すら行っていない学校施設も6.6%あるとの結果が公表された。 民主党は、子どもの命や地域住民の安全を守るため、一刻も早く耐震化整備を進めるべきであるとの考えから、「公立の小中学校等における地震防災上改築又は補強を要する校舎等の整備の促進に関する法律案」を2007年166回通常国会に提出し(2002年、06年に続き3度目)、継続審議となった。 財政破綻した自治体の義務教育を保障民主党は、財政破綻した北海道夕張市を2007年3月に視察し、義務教育予算や学校環境について当時の市長や教育委員会関係者と意見交換を行った。財政破綻した自治体であっても、義務教育を受ける子どもたちの学ぶ権利は保障されなくてはならないとの観点から、民主党は、緊急措置として、国の責任において小中学校の適切な教育環境を確保する旨の「財政が破綻状態にある市町村の義務教育関係事務の国への移管制度の創設に関する法律案」を2007年166回通常国会で参議院に提出したが、廃案となった。 科学技術政策のとりまとめ民主党は、党の科学技術政策についての検討・議論を深め、2007年の参議院選挙政策に盛り込んだ。また、今後重要な政策課題になる宇宙関係の法整備について、学者、専門家等からヒアリングを行うとともに、日本の衛星技術の状況等についても認識を深めるなど、精力的に取り組んだ。 子どものための議員立法を再提出民主党は、学校内外の子どもの安全対策として学校安全専門員を配置するなどを内容とする「学校安全対策基本法案」を2007年の166回通常国会に再提出したが廃案となった。また、学校における相談体制充実のため、スクールカウンセラー及びガイダンスカウンセラーの拡充をはかる「学校教育法の一部を改正する法律案」も2007年の166回通常国会に再提出し、継続審議となった。 教育分野における格差是正への取り組み民主党は、166回通常国会に「格差是正のための緊急措置等に関する法律案」を提出した。教育分野において政府が緊急に取り組むべき課題として、親の経済格差が子どもの教育機会格差になり、格差が世代を超えて継承されないようにするとの考えから、奨学金の充実を盛り込んだ。 |
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