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国会レポート2007

第二章 『次の内閣』の活動

1環 境


2007.5.30 環境健康被害者等救済基本法案を提出


2007.5.15 「民主党の環境政策」の発表記者会見

 環境部門は、166回通常国会において、(1)環境健康被害者等救済基本法案の策定、(2)地球温暖化対策、(3)生物多様性対策、(4)築地市場移転問題・豊洲土壌汚染問題等について重点的に取り組んできた。

 特に地球温暖化対策については、「地球温暖化対策小委員会」を、生物多様性対策については、「生物多様性対策小委員会」をそれぞれ設置し、「民主党脱地球温暖化戦略」、「民主党生物多様性基本戦略」などの政策を取りまとめた。

 また、環境健康被害者の迅速な救済給付を目的とした「環境健康被害者等救済基本法案」を策定し、166回通常国会に提出した。(詳細→

法案対応について

 国の各省庁や独立行政法人が電力、自動車等を購入する際に、入札価格だけではなく、温室効果ガスの排出係数も加味して総合的に契約を判断する「国等における温室効果ガス等の排出の削減に配慮した契約の推進に関する法律案」(グリーン契約法)は、民主党が中心となり超党派議員立法として成立した。

 「エコツーリズム推進法案」については、国土交通部門と連携して議論を進め、民主党の意見を反映した超党派議員立法が成立した。

 166回通常国会に提出された4本の内閣提出法案のうち3法に附帯決議を付し、それぞれ民主党の環境政策の理念を盛り込んだ。

脱地球温暖化戦略

 民主党は、京都議定書の第1約束期間が迫ってきたことと、ポスト京都議定書がG8サミットの主要議題になるなど、地球温暖化問題が世界の中心的な話題になったことから、2007年3月に地球温暖化対策小委員会を立ち上げ、民主党の地球温暖化政策を取りまとめた。

 取りまとめに際しては、環境省、外務省をはじめ関連省庁の地球温暖化対策への取り組み、学識者からのヒアリングなどを参考にした。また、グレアム・ホルブルック・フライ駐日英国大使を小委員会に招き、大使から紹介されたイギリスで既に導入されている排出権取引市場、気候変動税(環境税)、再生可能エネルギーの義務化(日本でいうRPS法)やEUの地球温暖化に向けての取り組みについても参考にして、2007年5月に民主党の地球温暖化対策「脱地球温暖化戦略」を発表した。

 同戦略では、基本的な目標として、(1)1990年比で、温室効果ガスの国内排出量を2020年までに20%、2050年までに50%削減する中長期目標の設定、(2)京都議定書の目標である6%削減を必ず達成、(3)新たな国際的枠組みの構築において日本が主導的役割を果たす、(4)脱炭素社会へ向けたライフスタイルの転換、を掲げた。

 これらの目標を達成するために、(1)キャップ&トレード方式型の国内排出権取引市場を数年内に創設、(2)公共料金明細や製品などにCO2排出量を明記させる「CO2の見える化」の推進、(3)再生可能エネルギーの一次エネルギー総供給に占める割合を2020年までに10%まで引き上げる、(4)地球温暖化対策税の導入、(5)環境外交の推進、など具体策を盛り込んだ。

生物多様性基本戦略

 近年の絶滅危惧種の増加、農作物に悪影響を及ぼす野生生物の保護管理対策、外来生物対策など、生物多様性の保全について複雑な問題が山積していることにかんがみ、「ヒトと野生生物との共生」という理念の下、2007年3月に生物多様性対策小委員会を設置し、生物多様性に対する民主党の基本政策の策定に取り組んだ。

 小委員会では、2007年の秋に見直される現在の生物多様性国家戦略の問題点と変更までの経緯を調査し、環境省をはじめとする各省庁の生物多様性に対する全般的な取り組みについてのヒアリングを行い、2007年5月に民主党「生物多様性基本戦略」を発表した。

 主な内容として、(1)野生生物保護基本計画の策定、(2)生物多様性保全体制の整備、(3)生物多様性影響評価の義務化、などが盛り込まれ、野生生物全般の保護に係る法体系の見直しを図るための「野生生物保護基本法案」(仮称)の制定についても議論を進めていくことを明記した。

 また、2006年12月に日本で初めて発症が確認されたカエルなどの両生類に90%以上の致死率をもたらす感染症の「ツボカビ症」について、生物多様性の観点から議論を行った。

 日本で感染が確認されたカエルは海外から輸入された愛玩用だったが、野生のカエルへの感染が確認されれば、生態系崩壊の危険性がある。それにもかかわらず、環境省は現状調査しか行っておらず、その対応は十分とは言えないため、環境部門では独自の予防とまん延防止を目的とした対応策を議論した。今後は、特別措置法案の検討を含めた協議をしていく方針である。

「ヒトとクマとの共生プラン」を策定

 人里へのクマの異常出没が急増し、それに伴う人的被害や農作物などの物的被害が深刻化したことを受け、環境部門では2004年以降、「クマ被害対策小委員会」を設置して様々な角度から検討を進め、長野県軽井沢町の被害状況とベアドッグ(クマ対策犬)を使った取り組みなどの視察を行った。

 2006年11月に、被害防止(ヒトの安全の確保)と個体数保護(クマの保護)の両立をめざし、ヒトとクマがしっかりと棲み分けることで安心して共生できる社会をつくるための「ヒトとクマとの共生プラン」を発表した。

築地市場移転問題・豊洲土壌汚染問題

 東京都が2012年に築地中央卸売市場を土壌汚染の懸念がある豊洲旧工場跡地に移設する問題について、都議会民主党に設置された豊洲土壌汚染対策PTと連携して学識者、及び関係省庁からヒアリングを行い、積極的な議論を進めた。また、築地中央卸売市場と豊洲移転予定地の現地視察を行い、環境問題のみならず、食の安全・安心・文化の観点からも調査を行った。

 これらの活動から、東京都が実施している土壌汚染対策の調査が厳格な調査基準である土壌汚染対策法に基づく調査ではないことと、土壌汚染対策法附則3条により、豊洲移転予定地が土壌汚染対策法に基づく調査義務が発生する場所にならないことが問題であるとする結論に至った。

 今後は、豊洲土壌汚染対策小委員会(仮称)の設置、土壌汚染対策法の改正などの対応策を含めた議論をしていく方針である。