【7】国土・社会資本
沖縄政策
沖縄は先の大戦で国内で唯一、地上戦が行われ、数多くの犠牲者を出す悲劇に見舞われました。さらに、敗戦後も米軍による占領を経験しました。沖縄には依然として在日駐留米軍専用施設面積の75%が集中するなど、県民は過重な負担を強いられています。復帰後の経済発展も期待どおりにすすんでいません。この状況を重く受け止め、民主党は1999年7月に「民主党沖縄政策」、2002年8月には、「民主党沖縄ビジョン」を策定し、2005年には、諸情勢の変化等を勘案し、「民主党沖縄ビジョン」を改訂しました。「民主党沖縄ビジョン」では、地域主権のパイロットケースとしての「一国二制度」の推進、経済振興・雇用創出、自然環境政策、教育政策等、沖縄の真の自立と発展への道程を示しています。
沖縄には、歴史的、伝統的な資源が豊富に存在しています。近年は、ありのままの姿を活用した観光・リゾート振興が世界的な傾向であり、従来の大量輸送・大量消費型マスツーリズムといった環境面に負担のかかる観光形態ではなく、自律的・持続可能な観光への転換をめざします。情報通信分野においては、コールセンターの集積、光海底ケーブルの陸揚げ地点等の利点を生かし、新規企業の立地等をすすめます。また農林水産業においては、地域の食品のブランド化推進を始め、豊かな自然を生かした施策に取り組みます。運輸産業においては航空機燃料税の軽減拡大等による航空運賃見直しの環境整備等をすすめます。
沖縄の豊かで多様な自然環境は、世界的にも貴重な財産です。このわが国の誇る自然環境を有用微生物の技術を積極的に取り入れながら保全・再生するとともに、自然環境を大事に活用した観光業(エコ・ツーリズム)の発展につとめます。また、沖縄独自の基準による自然環境再生型公共事業を全国のモデルケースとして積極的に促進します。
東アジアのみならず世界の知性が集まり交流する「学問・研究の沖縄」をめざします。沖縄独自の文化・芸能を継承しつつ、外国語や環境等、沖縄の特性をさらに引き出す教育を支援します。アメラジアンだけではなく国際児については、教育環境の整備、及び養育費を確保するための米国との協定等の実現を図ります。
日米安保条約を日本の安全保障政策の機軸としつつ、在日米軍基地の整理・統合・縮小を強力にすすめます。SACO(沖縄に関する特別行動委員会)最終報告の適切な実施をめざすと同時に、日米の役割分担の見地から米軍の変革・再編(トランスフォーメーション)の機会を捉えながら在沖海兵隊基地の県外への機能分散をまず模索し、戦略環境の変化に応じて国外への移転をめざします。基地縮小に際して生ずる雇用問題には、セーフティーネットの確保も含め、十分な対策を講じます。また、当事者としての立場を明確にするためにも在沖米軍の課題を話しあうテーブルに、沖縄県なども加わることができるよう働きかけます。