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国会レポート2004
contents contents |目次|序文|資料1|資料2|資料3|
第2章 『次の内閣』の活動


4 総務部門


三位一体改革への対応photo
 小泉内閣の掲げる三位一体改革の関連3法案(「地方税法及び国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の一部を改正する法律案」「所得譲与税法案」「地方交付税法等の一部を改正する法律案」)が、159回通常国会に提出された。これら3法案により、三位一体改革の本質は、国の財政赤字を地方に尻拭いさせることにあり、地方分権改革の名には到底値しないものであることが明らかとなった。
 民主党は3月、党地方自治体局を中心に全国3234の自治体を対象とした「三位一体改革に関する緊急アンケート」を実施した。その結果は、地方の声を無視して実施された三位一体改革への厳しい批判と悲鳴が圧倒的であった。
 民主党は、地方分権の理念から大きく外れた小泉内閣の失政を厳しく非難するとともに、地方分権推進を掲げた民主党の独自予算案を示したうえで、三位一体改革関連3法案に強く反対した。(詳細→

自主性に基づく市町村合併推進へ
 現行の合併特例法(「市町村の合併の特例に関する法律」)が、2005年3月末で期限が切れることに伴い、新たな市町村合併関連3法案が159回通常国会に提出された。
 「市町村の合併の特例に関する法律の一部を改正する法律案」は、2004年3月末までに合併申請を行えば、現行の合併特例法の規定の適用を可能とするもの。「市町村の合併の特例等に関する法律案」は、2005年度以降、合併特例区制度の創設や知事による合併構想の策定等により合併推進を図る法案。「地方自治法の一部を改正する法律案」は、住民自治の強化を目的とした「地方自治区」の創設や、都道府県合併の手続き整備等を内容とするもの。
 地方分権の推進に際しては、税源・権限移譲を受け入れられる体制を基礎自治体側が創る必要がある。民主党は、この観点から、住民および市町村の自主性を尊重したうえで、市町村合併を推進することを基本的考えとしている。
 民主党は委員会審議において、自治体の借金依存体質を助長する合併特例債の弊害、市町村の規模の拡大ばかりが追求され、本格的な税源・権限移譲が先送りされていることに対する批判、強制合併に対する懸念、地方自治区の運用に対する不信等の問題を指摘した。これらの懸念点については、附帯決議によって政府に適正運用を求めることとし、全体的方向性としては地方分権の推進を図るものであるとして、民主党は合併関連3法案に賛成し、法案は成立した。

道州制を具体化させる議論のスタート
 地方分権の推進に際しては、将来の国と地方のあり方の見直しが不可欠である。民主党は、地方分権改革を大胆にすすめるためには、基礎的自治体の規模拡大および権限強化とともに、道州制の導入が必要だと考えている。道州制の実現へ向け、行政改革調査会内に4つの分科会を設置し、それぞれ(1)財政調整・交付税のあり方、(2)道州制のあり方、(3)コミュニティ政策、(4)特殊法人・独立行政法人改革――にテーマを絞り検討を行った。
 今後更に議論を深め、国と地方の役割分担の抜本的見直しなど、民主党の展望する「道州制」の具体案を取りまとめていく。

電波の有効利用促進のために対案を提出
 情報通信分野では、政府提出の「電波法及び有線電気通信法の一部を改正する法律案」への対案として、2本の議員立法を159回通常国会へ提出した。
 政府案は、電波(周波数)の有効利用促進のため、(1)免許の使用期限の前倒しを可能とする仕組みを創設する、(2)無線局の登録制度を導入する――等を内容とする法案である。
 民主党は、政府の取り組みでは不十分と判断し、電波のより一層の有効利用のため、議員立法「電波法及び有線電気通信法の一部を改正する法律案」を取りまとめた。その内容は、政府案のスキームに、(1)電波利用料に経済的価値を反映させた制度を導入する、(2)オークション制度による無線局免許の付与を可能とする――を加えたものである。
 あわせて提出した「通信・放送委員会設置法案」は、内閣府の外局に独立行政委員会(通信・放送委員会)を設置することで、総務省の裁量行政を排除し、公正・中立な情報通信行政の実現を図るもの。  残念ながら2法案とも否決されたが、情報通信産業の更なる発展のため、今後とも民主党の電波有効利用促進政策を提案していく。

政治改革関連一括法案をとりまとめ
 民主党は結党時より、政治改革に重点をおき、政治に対する国民の信頼回復のため、様々な政策を打ち出し、法案を提出してきた。159回通常国会では、2003年の衆議院選挙で掲げたマニフェストの政策を中心に、政治資金の透明度を高め、また一票の格差是正などについて党の考え方を整理し「政治改革関連一括法案」にまとめ提出した。今後、委員会での速やかな審議入りと、法案成立を強く求めていく。(詳細→



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