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国会レポート2002
contents contents |目次|序文|資料1|資料2|資料3|
第2章 ネクスト・キャビネットの活動


7 財務金融部門


政府案への対応
 154回通常国会においては財務省及び金融庁より14法案が提出された。政策金融機関に金融庁の検査を導入する検査権限委任整備法案については、健全性を強調するあまり政策金融の機能が損なわれないことを審議で確認し、賛成した。また「独立行政法人造幣局法案」、「独立行政法人国立印刷局法案」については、天下り問題や国庫納付金問題について十分な審議を行い、賛成した。証券決済システム法案については、法案の提出方法に問題があり、また国債管理の観点からも問題があることから、反対した。

金融問題への取り組み
 2001年秋以降、平均株価がバブル崩壊後最安値を更新し、再三にわたって金融危機が叫ばれるなど、金融システムの信頼性は大きく揺らぎ始めた。この背景には、不良債権問題の抜本的解決を経済再生の第一歩と位置づけた小泉内閣が、相変わらず不良債権の抜本処理と金融システム健全化を先送りし、自民党金融族議員主導のびほう策を繰り返しているという現実がある。
 政府が10月に決定した改革先行プログラムには、銀行に対する特別検査が盛り込まれたが、森金融庁長官(当時)の「手心」発言が発覚するなど、検査の信頼性には疑問符がついた。また、153回臨時国会以降、銀行保有株の国家的飛ばしとも言える銀行保有株買い上げ法の成立や、不良債権の国家的飛ばしとも言える金融再生法改正が強行されるなどのびほう策が次々と打ち出された。とりわけ、年間2万社以上の中小企業が倒産に追い込まれる一方で、自民党とつながりの深いゼネコンなどの大企業が銀行の債権放棄によって救済されたことは、社会正義という観点から見て大きな問題である。
 2002年3月には、期末の株価対策として、空売り規制強化のみならず公的資金による株価維持策(PKO)までもが発動されたと言われており、株式市場に対する投資家の信頼は大きく失われた。また、154回通常国会終盤では、一般事業会社が保有する銀行株を買い上げるための銀行保有株買い上げ法改正案が提出され、ペイオフ再延期や整理回収機構(RCC)による不良債権の簿価買い取りを求める声が噴出するなど、金融行政の迷走に拍車がかかった。
 民主党は、一貫して不良債権の抜本処理と金融システム健全化を主張しており、1998年6月には金融再生計画を発表、同年秋の金融国会に「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(金融再生法、小渕首相の丸のみにより成立)、「金融機能の早期健全化のための緊急措置に関する法律案」(早期健全化法案、否決)及び「金融再生委員会設置法」(成立)を提出した。これらを基本として、2002年1月、「金融再生ファイナルプラン」を決定し、2月には「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律及び金融機能の早期健全化のための緊急措置に関する法律の一部を改正する法律案」(金融再生法等改正案)及び「金融再生委員会設置法案」を提出した。金融再生計画は危機管理のみを目的とするものであったが、「金融再生ファイナルプラン」においては、新たに、中小企業と大企業の直接償却の扱いに差をつけることや、破綻金融機関を再編して中小企業融資に特化した金融機関をつくり出すことなど、間接金融の構造改革をも視野に入れている。
 また、貸し渋り・貸しはがしの激化など中小企業向け金融がより困難な情勢になっている現実を踏まえ、151回通常国会に提出した「地域金融の円滑化に関する法律案」(金融アセスメント法案)を154回通常国会に再提出したほか、151回通常国会以降継続審議となっている「証券取引委員会設置法案」(日本版SEC設置法案)の成立を求め続けている。

税制改革関連の議員立法
 NPOを新たな公益の主体として大きく育成する観点から、税制優遇の対象となるNPOの拡大等を内容とする「特定非営利活動の促進のための法人税法等の一部を改正する法律案」及び「特定非営利活動の促進のための地方税法の一部を改正する法律案」(NPO支援税制2法案)を野党4党共同で154回通常国会に提出し、前者は衆議院財務金融委員会で審議入りした。
 また納税者の基本的な権利を定める「税務行政における国民の権利利益の保護に資するための国税通則法の一部を改正する法律案」(日本版納税者権利憲章法案)も野党共同で154回通常国会に提出した。

民主党「税制改革の基本構想」を改訂
 民主党は2000年5月に中期的な税制改革の方向性を示した「税制改革の基本構想」を発表した。しかし、デフレの深刻化、財政・年金等に対する将来不安の高まり、京都議定書批准など税制をとりまく状況が大きく変化したために、2002年8月、「基本構想」の改訂を行った。この新たな「構想」では、デフレ状況からの脱却のための「ローン利子控除制度」の創設、公共事業の見直しと温暖化抑制のための道路特定財源制度の廃止と環境税の創設などを取り入れている。



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