コンテンツを再生/利用するにはプラグインが必要です。

民主党サイトアーカイブ

現在のウェブサイトはこちら
2011年6月22日以前の情報その他で、新サイトに盛り込んでいないデータを掲載しております。
アーカイブTOP > 活動報告 > 民主党中東・スーダン訪問団報告書
活動

民主党 中東・スーダン訪問団 報告書

6.中東・スーダン訪問を終えて
 中東とくにアフリカは、わが国にとり遠い地域である。しかし、国際社会の最重要問題 は、この地域に集中している。2001年9月11日の米同時多発テロを受けて、国際社 会は「テロとの闘い」における協力を強化し、一致団結した取り組みを推進している。テ ロをはじめとする中東の諸問題の根源とも言われるイスラエル・パレスチナ問題について、 わが国が出来る限り客観的かつ中立的な立場から積極的に関与していくことは重要かつ国 際社会が期待するところでもある。テロ問題が対処療法では解決できないことは、今や明 らかであり、根本の要因に取り組まなければならない。また、テロの主要な背景とも言わ れる貧困問題、人道問題について、国際社会の関心が一層高まるに伴い、今日、アフリカ 問題がクローズアップされている。わが国もアフリカ問題により高い関心を示すことが必 要となってきている。
 このような問題意識に立って、中東・アフリカ訪問団は、現地を訪れた。中東和平プロ セスは、複雑な問題であり、何度も挫折の憂き目に遭っている。しかし、パレスチナ自治 評議会のアッバス議長が、中東和平プロセスを進める「黄金の機会」と発言されたように、 この機会を見逃すべきではない。中東・パレスチナ問題は、正念場を迎えており、各国も このような認識のもと、全力をあげて後押ししている。米国のブッシュ大統領は、イスラ エルのシャロン首相を米国に招待するとともに、アッバス議長に対してもその意向を示し た。英国のブレア首相が3月、パレスチナ支援国会合を主催したほか、ロシアのプーチン 大統領が、民主党の訪問団の直前にイスラエル、パレスチナを訪れ、ロシアの積極的関与 をアピールした。わが国政府も前向きな姿勢は見せているものの、小泉総理の「顔」は見 えない。政権準備党である民主党の代表がこの地を訪れ、リーダーとの対話を行うことで、 民主党のみならず日本の存在感を示すことができたと思う。
  本年は「アフリカの年」であり、1月のダボス会議でアフリカ問題が主要テーマになっ たほか、6月の先進国主要サミットにおいても主要議題となる予定である。同サミットの 開催国である英国のブレア首相はじめヨーロッパ諸国は、アフリカ問題にとくに力を入れ ている。世界の150カ国の発展途上国のうち52カ国がアフリカであり、中でも最も貧 しい国々である後発発展途上国50カ国のうち7割をアフリカが占めているという現実の 中、同じ人間としての共感を持って人道上の見地から手を差し伸べることが求められてい る。アジアの将来が大きな期待を持って語られるのに対して、アフリカの現実はあまりに も厳しい。宗教・民族対立などに起因するスーダンの避難民(IDP)キャンプを2カ所 視察し、避難民が人間としての生存ラインを下回る極めて厳しい状況に置かれているのを 直視して、アフリカ支援の必要性を実感した。スーダン以外の多くのアフリカの国々も、 飢餓、疾病、内戦、民族対立、人権侵害などに苦しんでおり、わが国は世界の国々と連帯 して、アフリカ問題に正面から取り組んでいかなければならない。日本がアジア支援の中 で蓄積した経験が、アフリカの自立のために必ず活かせると思う。今回の訪問をその一歩 とし、民主党としてもアフリカ支援のための具体策を策定するとともに、その前提として アフリカに対する国民の関心を高めることに政治が取り組んでいきたい。

民主党代表 岡田 克也


▲このページのトップへ