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アーカイブTOP > マニフェスト/政策集 > 政策INDEX2005


民主党政策集―私たちのめざす社会―
【3】経済・財政・金融
中小・ベンチャー支援
 中小企業が、わが国の雇用の約8割と貴重な技術を支えていること、無限の可能性を持つ芽であることなどから、新しい成長分野の担い手であるベンチャー企業、中小企業の元気が出るよう、予算を抜本的に拡充するとともに、支援策を充実することが不可欠です。元気で自立・独立した中小企業を数多く輩出し、生きがいある仕事場としての中小企業を育て、新規起業を促進し、「大企業と中小企業の元気の循環=産業構造の変革」、「中央と地方の元気の循環=地方分散」をすすめます。そのために、従前の「バラマキ政策」から「やる気が出る政策」へ転換させます。日本人が培ってきた"モノづくりDNA"を覚醒させ、日本経済の屋台骨を支える製造業の発展に力を注ぎます。  金融機関の融資については、内容説明や書面交付の義務づけなど、貸し手責任や義務を法律上明確化すると同時に、倒産に際しては、生活に必要な最低限の財産を手元に残すことを許すなど、再チャレンジの道が残される社会を確立します(「銀行等の中小企業者に対する貸付けの適正な運営の確保に関する法律案」を2003年の第156国会、2004年の第159国会に提出)。中小企業向けの資本・債券市場を創設し、直接金融への道を開き、担保や保証を過剰に求める取引慣行を改めさせ、個人・中小企業への資金供給を円滑にします。また政府系金融機関については、個人保証を撤廃します。貸し渋り・貸しはがしへの緊急避難策としての「特別信用保証」の復活を図ります。天下り禁止や民間人主導の運営等により、信用保証協会の機能を強化します。  現在、中小企業関連の予算は、主に経済産業省、財務省、そして厚生労働省の三つの省庁の所管にまたがっており、予算要求も別々に行われる仕組みになっています。こうした縦割り行政が、わが国における中小企業行政の遅れ−例えば、下請けいじめがいつまでもなくならないことや、欧米諸国と比較して、中小企業が経済全体における従業員比率にふさわしい販売額シェアを占めていないことなど−の原因となっていると思われます。また、わが国が直面する銀行セクターの改革や不良債権処理問題に中小企業が大きく関わっていることや、いわゆるニュー・エコノミーにおける中小企業のもつ重要性等に鑑み、中小企業行政をより横断的に統括するため、中小企業担当大臣の任命を検討します(中小企業担当副大臣を置いているフランス等の例があります)。  法人事業税への外形標準課税導入については、雇用及び中小企業経営に及ぼす影響に鑑み、慎重に検討します。創業5年未満の中小ベンチャー法人について、法人課税を減免します。創業促進のため、現行エンジェル(ベンチャーへの投資家)税制の複雑でメリットの少ないシステムを改め、公募債の要件を緩和して公募債と私募債の中間にあたる債券発行を可能にします。同族会社の留保金課税について中小企業への適用を廃止し、相続税全体の見直しにより小規模企業の負担を軽減します。  ベンチャー企業の立ち上げを容易にすると同時に、企業への技術移転を促進する制度を導入します(日本版SBIR制度の改善やSTTR制度の導入*)。資金不足が顕著な研究開発型ベンチャーを支援するため、エンジェルを支援します。ベンチャー企業の株式購入時に投資額の一定割合を税額控除できる制度の導入やエンジェルネットワークの設立・運営を支援します。また大企業からのスピンアウト(リストラをきっかけとした開業等)に対して「特別融資枠」を設定することを含め、総合的な起業支援策を講じます。これらの施策を通じ、「100万社起業」を達成します。
*日本版SBIR制度/STTR制度=いずれも中小ハイテク・ベンチャー企業への補助金制度。
 地域社会に必要な仕事を市民自らが市民事業として起こす「ワーカーズ・コレクティブ」の活動が広がっています。市民の協同出資、協同労働、協同運営に基づく<協>のセクターを、市民社会の新しいセクターとして社会的に定着させるために、ワーカーズ・コレクティブ活動の活性化を積極的に支援します。  1階に商店街、2階以上を高齢者向けケア付き賃貸住宅とする複合建築物の建設も含め、「商住一体のまちづくり」をすすめます。託児所、駐車場・駐輪場等を整備し、消費者が気軽に商店街に出かけられる環境を整備します。起業家のためのSOHO(在宅勤務の小規模オフィス)活用、行政窓口設置により空き店舗や空き地の利用をすすめます。都市景観の向上、防災施設や情報通信基盤の整備、電線の地中化等を促進し、美しいバリアフリーの商店街をつくります。現在の法体系を抜本的に見直し、(1)建築基準法の単体規制への特化、(2)都市計画法を大胆な地方分権・全国を網羅する「まちづくり法」に改変、(3)地域コミュニティーの自立・再生・充実を図るなどのまちづくりの基本原則を明記した「景観・まちづくり基本法」を制定するなど、コミュニティーと美しく活気あるまちの再生・保全を図ります。  民主党の主導によって成立した「ものづくり基本法」を生かし、ものづくり産業の基盤強化をすすめます。ものづくり技術、人材のデータベース化など、ものづくりをITと結びつけて振興し、中小製造業を有利な立場に誘導します。義務教育、高等教育におけるものづくり教育を重視し、ものづくり職人が一層評価される社会を確立し、後継者育成を推進します。加工技術の向上につながるナノテクノロジー分野への重点化をすすめます。
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