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活動
岡田代表 外交・安全保障ビジョン「開かれた国益」をめざして ENGLISH

■本 文 > はじめに
はじめに

このビジョンは、政権交代によって新しい政府が実現した場合の、これから10年間の外交安全保障政策のあり方を示すものである。これから10年間の外交安全保障政策を考えるにあたっては、まず2015年の世界がどのようなものであるべきかを構想することから始めなければならない。ここで私たちは10年後の世界の予測をするつもりはない。しかし、世界の大勢を単なる「与件」として、受け身の外交を続けてきたいままでの外交安全保障政策の限界は明らかである。とりわけ、近年の政府の場当たり的な対応の結果、日本外交は対中国、韓国、北朝鮮、いずれにおいても行き詰まっており、ロシアやASEAN(東南アジア諸国連合)についても停滞感が強まっている。

現実を踏まえつつ、10年後の日本と世界のより良い姿を構想し、その実現のために日本は何をなすべきか、そうした問題意識を明確に持つことが、日本の外交安全保障政策を立案・実行する上で、いま求められている。私たちは、日本のそのような能動的な外交こそ、世界の「与件」に他ならないと考える。このビジョンは、以上のような問題意識に基づき、まずあるべき2015年の世界を構想し、その実現に向けて日本の取るべき外交安全保障政策のあり方を検討したものである。なお、本ビジョンは網羅的なものではなく、アジア、米国、国際ガバナンスを差し迫って重要な課題としてそこに焦点を絞り、欧州、中東・アフリカ地域などについては別の機会に譲ることとしたい。

さて、ここではまず、日本の外交安全保障政策の目的が「開かれた国益」の追求にあることを確認しておきたい。グローバル化の進展した今日、日本の国益の追求は世界の公益の実現と共鳴し、世界の公益を実現することが日本の国益の追求に連なる。私たちは、自国の平和と繁栄や国民の安全と豊かさを、一人勝ちのかたちで直接に求める、ゼロ・サム的な国益概念で外交を進めるべきではない。いま必要とされているのは、日本と他の国々がともに利益を享受する、プラス・サム的な道を追求することであり、日本の国益を国際協調的に実現していく「開かれた国益」の認識である。排外的ナショナリズムが長期的に国益を害することは歴史の教えるところであり、そういうナショナリズムはグローバリゼーションの進む今日の国際環境下でも明らかに非生産的である。同時に、国際社会への責任を放棄した一国平和主義も「開かれた国益」とは相容れない。それは、環境、エネルギー、テロ、大量破壊兵器拡散など、地球規模での挑戦に私たちが直面していることからも明らかである。

「開かれた国益」を目標として高く掲げ、受け身ではなく、自立した責任ある姿勢で、構想力を持ってその実現を図っていくことは、新しい政府の責任である。しかし、グローバリゼーションが進展して社会がますます開かれて行き、多様な利害関係が内外で交錯する今日、「開かれた国益」とは何なのか、という問いひとつをとってみても、その正しい答を政府だけで出すことは困難である。その意味でも、日本の「開かれた国益」の実現には国民の支持と参加が不可欠である。新しい政府は、その外交安全保障政策について国民に説明責任を果たすとともに、政策決定過程への国民の能動的参加をよびかける。
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