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国会レポート2002
contents contents |目次|序文|資料1|資料2|資料3|
第2章 ネクスト・キャビネットの活動


9 農林水産部門


 農林水産部門は、2001年9月のBSE(牛海綿状脳症)発生以降、BSE関連及び食品安全問題を中心にして精力的に活動を行うとともに、議員立法の提案、154回通常国会に政府から提出された法案への対応を行った。

BSE発生
 欧州で社会問題となっていたBSEが2001年9月にわが国ではじめて確認された。正式な診断を受けるまでに迷走した農林水産省・厚生労働省の対応、EUから受けていたBSE発生リスクに関する警告を断っていた事実、BSE発生後も責任の所在を明らかにしない政府の対応等々から、消費者は牛肉に対して不安を募らせ、牛肉消費の著しい不振が広まった。
 BSE発生約40日後には、食肉処理をする際に検査を行う体制が整えられ、武部農林水産大臣、坂口厚生労働大臣がそろって「安全宣言」をしたものの消費は戻らず、畜産農家・酪農家はもとより製造・加工・流通・販売・飲食業とその影響を被った関係者は多数に上った。
 風評被害の拡大とともに、野党4党は法的対応が必要という見地から、連携してBSE緊急措置法案を取りまとめ、BSE新法の成立を推進した。

大臣の責任を追及
 BSE問題に関連して農林水産大臣の責任、農林水産省の責任、農林水産官僚の責任を厳しく追及した。
 民主党を中心として提出した武部農林水産大臣不信任決議案は、与党3党が一致して本会議で否決しながら、与党内で辞任を求める発言が巻き起こる“ねじれた”対応が見られ、責任の所在をぼかした不明朗さが際立った。

安全な食品を消費者へ
 BSE発生直後、民主党は議員を欧州へ派遣し、欧米の食品安全体制および法制の研究に着手するとともに、日本で食品安全を確立するための法と行政組織の整備の検討に着手した。2002年3月には「食品安全基本法案」、「食品安全委員会設置法案」を軸とする中間報告を行うとともに、さらに具体的な検討を進め、両法案の骨子をまとめた。民主党は食品の安全性に係る「リスク評価」を決定し、「リスク管理」を行う農林水産省・厚生労働省に対する指導権限をもつ食品安全委員会を行政から独立した国家行政組織法上の3条機関として設置することを柱とした構想を打ち出している。
 政府でもBSE調査検討委員会の報告を受け、法制度の検討を進めている。次期通常国会には政府が法案を提出する予定であり、この中で中立な立場で食品安全を確保する体制が作られるかが焦点となる。

環境保全型農業促進を具現
 民主党は、151回通常国会に検討を開始した持続可能な環境保全型農業生産の促進と、その収穫物の表示制度を整備する法案を取りまとめ、153回臨時国会に提出した。
 「無農薬・無化学肥料栽培」等を法律に則った基準として定め、現行の「有機」表示等と整理を行い、消費者が正しく選択ができること、生産者が農産物に付加価値をつけられるようになることが期待される。

有明海再生への道
 154回通常国会で、与党から「有明海及び八代海を再生するための特別措置に関する法律案」が提出された。2001年9月より有明海“再生”立法の検討が報じられていたが、提出された法案は「再生」とは程遠い内容であり、民主党は「有明海漁業被害対策・諫早湾干拓事業見直し本部」で取り組んできた干拓事業の見直しを含めた基本方針を軸とした「有明海及び八代海の再生に関する臨時措置法案」(有明海再生法案)を取りまとめた。

養殖業のルール作りを進める
 与党提出の上記法案にも触れられているとおり、養殖漁場で使用される薬品の問題も深刻である。しかし、これは、日本の沿岸共通の課題であることから、民主党は、対策法案作りを進めた。

政府提出法案への対応
 154回通常国会には、政府から農業金融関連2法案、野菜生産出荷安定法改正案、水産関連4法案、JAS法改正案が提出された。
 当初予定されていた飼料安全法の改正案は、BSEに関連した法律の改正であったが、前述のBSE対策法案が成立したことから、法案の提出に至らなかった。なお、政府の提案検討事項は議員立法の中で実現された。
 政府提出法案についてはすべて賛成したが、法律成立後の運用にあたって懸念される点については、質疑で明らかにするとともに、他党の取りまとめ役として附帯決議をつけることに取り組んだ。



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