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重点政策50

食と農政

食の安全・安心の確保

BSEや鳥インフルエンザを目の当りにして、食の安全・安心は国民の最大関心事のひとつとなっています。食の安全・安心を確保するために、まず、内閣府・農林水産省・厚生労働省に縦割り・分断されている食品安全行政を一体化します。また、加工食品や、外食における原料原産地表示を義務化するとともに、食品のトレーサビリティ制度を拡充し徹底していきます。さらに、全国的なレベルで地産地消(そこでできたものをそこで食べる)、旬産旬消(その時できたものをその時に食べる)を推進するとともに、特に、地域の農林水産業の実情と重要性を教えるため、学校給食において、地産地消・旬産旬消を推進します。

わが国は、食料の6割を輸入に依存しており、輸入食品についても、輸入先国が日本と同等の食品安全基準や動植物検疫基準を遵守することを輸入の条件とします。また、主要な輸出国に輸入国の立場から調査を行う国際食品調査官(仮称)を配置します。さらに、現在は全国31ヶ所の検疫所でわずか300人の検査官が配置されているだけであり、わずか5%のモニタリング検査にすぎないわが国の国境における食品検疫体制を大幅に拡充・強化します。

また、米国における牛の月齢管理や飼料規制等の実効性や輸出プログラムの遵守が疑問視されている現段階での輸入再開は、国民の食の安全・安心を無視するものであり、今後も中止を求めていきます。また、国民の食の安全・安心を守るため、消費者の選択権として、牛肉やその加工食品等についてBSE検査済みの表示と原産地表示の義務化を実現します。さらに、輸入牛肉についても国産牛肉と同様のトレーサビリティを義務づけるため、民主党が国会に提出した「牛海綿状脳症対策特別措置法案(BSE対策法)改正案」及び「輸入牛肉に係る情報の管理及び伝達に関する特別措置法案(牛トレーサビリティ法案)」の早期成立をめざします。

全ての販売農家に所得補償し国産農産物を確保

農産物の国内生産の維持・拡大と、世界貿易機関(WTO)における貿易自由化協議及び各国との自由貿易協定(FTA)締結の促進を両立させます。そのために、国民に必要な食料を生産し、農村環境を維持できる農業経営が成り立つように「戸別所得補償制度」を創設します。

政府が行おうとしている直接支払制度は一部の大規模農家などに限定した政策であり、食料の安定供給、自給率向上もおぼつかなくなります。民主党はこれを抜本的に転換し、農業・農村を活性化するため、農政の柱として、原則として全ての販売農家に戸別所得補償制度を実施します。この総額は1兆円程度とし、米・麦・大豆・雑穀・菜種・飼料作物などの重点品目を対象に行います。その際、農地を集約する者への規模加算、捨てづくりにならないよう品質加算、棚田の維持、有機農業の実践など環境保全への取組に応じた加算を行います。

これにより、現在の農地約467万haの維持、食料の完全自給への取組、食の安全・安心の確保、農業の持つ多面的機能の維持、国土の均衡ある発展を図るための地方経済の活性化、農家が農業を持続できるような条件の整備等を可能とします。

森林・林業再生プラン

木材自給率は18%にまで落ち込んでいましたが、近年は外材価格の上昇により、輸入量が減少しつつあり、2005年には自給率20%に回復しています。国産材需要の増大という現在のビジネスチャンスを活かし、林業を基点にした地域再生の現実のものとするため、木材生産量を、10年後には、1960年代の生産量である5000万m3/年近くまで拡大し、自給率50%とする具体的な目標を設定します。

放置された森林整備のために、森林組合による施業の団地化、路網の整備と高性能機械の導入による伐採コストの低減を図るとともに、森林の管理・経営を担うフォレスターの養成を行います。また、間伐・再造林義務付けと長伐期化により、森林資源の持続的利用を可能にします。木材関連産業は、木材がかさばり重いことから、森林の近くに展開される典型的地域資源立地型産業であり、中産間地域でも中心となりうる産業です。木材加工業、住宅産業、紙パルプ産業等への国産材利用を推進するため、需要に対応した製材工場の効率化や木材流通体制の整備による流通コストの大幅引下げ、建築基準法等の規制の見直しによる国産材の優先活用を図ります。

木材生産体制を確立することにより、森林の整備等緑の雇用の拡大、木材加工業の活性化、公共事業の縮小により疲弊している工務店等建設業の雇用の拡大、グリーンツーリズム・エコツーリズム等観光業の振興を図ります。 さらに、木材生産体制の支えるためのソフト面での高付加価値型サービス、木質バイオマスを中心とする自然エネルギー産業や地球温暖化に対応した森林環境ビジネスを促進します。また、森林の公益的機能を守るための公共事業(みどりのダム事業)も積極的に進めます。これらにより、雇用機会の限られる中山間地域において、100万人の雇用を拡大し、過疎化をくい止め、地域に若者を呼び戻します。

漁業の振興(資源管理漁業の重視)

わが国は世界最大の水産物輸入国で、水産物の自給率は57%まで落ち込んでいます。このため、資源管理の徹底と漁業経営の活性化を図る観点から、個別の漁業者ごとに漁獲量の割当を行う個別TAC(漁獲可能量)方式の導入を行い、これにより影響を受ける漁業者には戸別所得補償を行います。

また、魚介類の産卵場である「海藻による海中の森」を公共事業で造成し、水産資源の回復を図ります。さらに、漁村を活性化するため、漁村集落が行う海の掃除、稚魚の放流などの資源回復事業に対して戸別所得補償を行います。なお、これらの施策と併せて、わが国と競合する漁場を有する国からの輸入について合理的な規制を行うとともに、魚価を安定させる制度を導入します。