外交・安全保障
イラクから自衛隊を即時撤退
民主党は、イラクに対する多国籍軍による武力の行使が正当性を有しておらず、いわゆる非戦闘地域の概念もフィクションであり、イラク特措法の法的枠組みは完全に破綻していることから、イラクに派遣されている自衛隊を直ちに撤退させるため、過去2度にわたって提出してきた「イラク特措法廃止法案」を改めて提出しました。政府のイラク特措法の期限を延長する法律案に対しては、航空自衛隊の活動がイラク復興の目的にかなった活動かどうか大きな疑念がある上、政府の情報開示が極めて不十分であることから、反対しました。戦争の大義とされたイラクの大量破壊兵器はついに発見されず、フセイン政権とテロ組織とのつながりも未だ不明確です。恣意的で不正確な情報に基づいて、米国に追従してイラク戦争支持を表明した政府の判断について、早急に検証を行い、責任を総括すべきと考えます。その上で、国際協調の枠組みの下、わが国に相応しいイラク復興支援のあり方を検討します。
国民不在の在日米軍再編
在日米軍再編は、国民に大きな負担を強いることから、国民の理解と基地負担を抱える地元の理解が必須です。国会や地元自治体、住民からの強い説明要求を無視し、日米政府間合意を優先させた自公政権の手法は、日米同盟の最大の基盤である国民の信頼を損なうものです。民主党は、在日米軍再編の経費総額、再編交付金の交付に際し自治体の受け入れ表明を条件とすることの問題、在沖米海兵隊のグアム移転経費を日本国民の税金で負担すること等について、問題点を解消するよう求めてきましたが、政府から誠意ある回答は全く示されませんでした。国会の関与なくして、米国の言いなりに資金を提供することにならないよう、徹底的に問題点を追及していきます。また、納税者の視点とシビリアン・コントロールを果たしていく見地、及び基地負担軽減への配慮から、アジア太平洋地域の安全保障における米軍のあり方や在日米軍基地の位置付けについて、検討を行います。
対北朝鮮外交の主体的展開
2007年2月の六者協議において、北朝鮮の核施設の活動停止等の見返りに、エネルギー支援等の実施を骨格とする「共同文書」が採択されました。しかし北朝鮮は、1994年の米朝枠組み合意以来、度重なる国際間の合意に背いて核開発を進めてきたことから、今回の合意の履行状況を厳しく注視していく必要があります。また、日本ほど北朝鮮の核・ミサイルの脅威を感じている国はなく、北朝鮮に対する経済制裁措置については、当面継続すべきです。わが国にとっては、拉致問題の解決が不可欠であり、拉致問題に関する各国の認識の共有を図りつつ、主体的な外交を展開していきます。
アジアの一員として
アジアの一員として、中国、韓国をはじめ、アジア諸国との信頼関係の構築に全力を挙げ、国際社会においてアジア諸国との連携を強化します。特に、エネルギー・通商・環境分野において、アジア・太平洋地域の域内協力体制を確立します。