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重点政策50

環 境

民主党「脱地球温暖化戦略」の推進

地球温暖化対策のために国内外において、温室効果ガスの削減が必要です。

世界中で2050年までに50%削減するとの中長期目標に加え、国内では、京都議定書の温室効果ガス6%削減達成は当然のこと、中長期の目標を設定し、中期的には2020年までに1990年比20%、長期的には2050年よりも早い時期に50%の温室効果ガス排出量の削減を目標とします。なお、その際には人為的排出の削減を優先します。民主党は、「脱地球温暖化 戦略」(〜脱温暖化で、地球と人との共生を〜)とりまとめており、その実現に全力を尽くします。具体的には、(1)中・長期目標の設定、(2)京都議定書目標達成のためのキャップ&トレード方式による国内排出権取引市場の創設、(3)再生可能エネルギー導入の強力な推進、(4)地球温暖化対策税の導入、(5)省エネルギーの徹底、(6)森林吸収源対策の推進、(7)環境技術開発、環境負荷低減技術・商品の普及促進、(8)環境外交の促進、(9)脱フロンのさらなる推進、(10)二酸化炭素の「見える化」の推進、(11)都市過熱化防止などを図ります。

世界に対しては、2008年のG8サミットが日本で開催されることにかんがみ、ポスト京都議定書に向けた新たな国際的枠組みの構築において、エネルギー効率化の視点を踏まえ、米国および中国、インド、途上国の参加を促すべく、エネルギー効率化への技術移転の推進とともに、ODAの環境分野への集中特化など環境外交を推進し、主導的役割を果たします。同時に、酸性雨や黄砂など国境を越えた環境被害に対しても、わが国の環境安全保障の観点から環境外交を強化して行いきます。

環境健康被害者等救済基本法案の策定

環境健康被害者の多くが、行政主導で策定された科学的知見に過度に依存した厳し過ぎる認定基準により行政救済が受け難く、認定を求めて訴訟を起こしても公害訴訟は長期化するので、迅速な補償・救済を受けられない現状にあります。民主党は、環境健康被害者の受けた被害の回復・軽減の迅速化を図るため、(1)健康被害者救済に関する基本施策策定(2)原因究明調査・研究を国等に義務付け(3)認定基準の緩和(4)行政からの独立性を高くした認定機関「環境健康被害等基準策定等委員会」の設置(5)訴訟関連支援制度(相談窓口の設置、医療専門家、科学者、海外知見等の紹介等を国等に義務付け)の整備(6)救済給付制度(医療費、療養費、交通費等)の整備――を定めた「環境健康被害者等救済基本法案」を提出しました。同法の制定によって、これまでに解決できなかった数々の公害健康被害者の大多数が迅速に救済されることになります。また、特に、水俣病、アスベストの健康被害者、東京大気汚染公害訴訟等の代表的な環境健康被害案件については、同法を活用すると同時に、問題点を詳細に検討して、包括的な解決に向け全力で取り組みます。

生物多様性の保全

近年、生物多様性の保全については、絶滅危惧種の増加、農作物などに影響を及ぼす野生生物の保護管理対策、外来生物対策など、複雑な問題が山積しています。このような現状を改善し、民主党が目指すべき「ヒトと野生生物との共生」という理念と、そのための手段を明確に制度化するためには、環境基本法の理念を生かした、野生生物保護を含む自然環境を保全するための法体系が不可欠です。民主党は、(1)野生生物の保護に関する基本的な計画(5ヵ年計画)の策定、(2)生物多様性(野生生物)の保全体制の整備、(3)影響評価の義務化、(4)生物多様性に関する教育等の充実、(5)国民への啓蒙、積極的広報、(6)省庁間の連携、(7)法制上及び財政上の措置、(8)国民等の参加を定めた「野生生物保護基本法案」(仮称)の制定をめざします。さらに、豊かな生態系を育む自然環境を国際的に保護するための基金等への拠出を推進し、また、生物多様性に関する国際的な調査研究をNGOと協力しながら積極的に支援します。

エネルギー安全供給体制の確立

エネルギーを安定的に確保する「エネルギー安全保障」の確立は国家としての責務です。長期的な国家戦略を確立・推進する機関を設置し、一元的に施策を進めます。地球環境との調和を図り、環境対策技術の開発を推進するとともに、省エネルギー技術をさらに発展させるとともに、天然ガス、石油、石炭、原子力に加え、風力、太陽、バイオマス、海洋エネルギーなど再生可能エネルギーや、水素、燃料電池などを中心とした未来型エネルギーの普及開発を図り、エネルギー供給源の多様化を促進することで、総合的なエネルギーのベストミックス戦略を確立します。特に、風力、太陽光、バイオマスなど再生可能エネルギーの一次エネルギー総供給に占める割合を、EUの導入目標をふまえ大幅に引き上げ、2020年までに10%程度の水準の確保をめざします。なお、現在のエネルギー自給率は原子力も含めて16%しかなく、先進国では最低水準にあることから、自給率を2030年に30%、2100年には50%とすることを目標とします。