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重点政策50

政と官

財政構造改革の推進

談合・天下りの根絶・契約の適正化による公共事業、発注コストの引き下げ、徹底した地方分権の推進による税金の効率的活用と国家公務員総人件費削減、特殊法人・独立行政法人の原則廃止などにより税金のムダづかいを根絶します。また特別会計を基本的には廃止もしくは一般会計化することによってムダづかいを根絶するとともに特別会計の余剰資金を財政健全化に活用します。

「縦割り構造」「対前年度比」という霞が関に依存した予算編成システムが財政の健全化の障害になっています。民主党は官邸が予算の重点配分、省庁ごとの予算枠、不要事業の廃止などの基本方針を決定し、この基本方針を受けて省庁ごとに政治家がグループをつくってその省庁の予算を編成するシステムに改めます。

また巨額の債務を安定的に管理し、着実に削減していくため、債務管理庁を設置します。

このような改革を通じて、2011年度には国・地方の基礎的財政収支の黒字化し、その後、債務残高GDP比を着実に引き下げます。

天下り根絶/官製談合撲滅

民主党は、「天下り根絶法案」を国会に提出しました。主な内容は、(1)早期退職勧奨と中央省庁による再就職あっせんを禁止、(2)天下り禁止期間を離職後5 年間に拡大、(3)規制の対象とする天下り先に特殊法人・独立行政法人・公益法人等を追加、(4)本省幹部(審議官級以上)の離職後10 年間の再就職状況の報告を義務付け、(5)退職職員による現職職員に対する働きかけ行為を禁止して罰則を設ける、(6)特殊法人等の役職員が天下ることについても国家公務員と同様の規制を新設、(7)地方公務員についても、離職後5年間は在職していた機関と密接に関係のある営利企業への天下りを原則禁止、などです。

また、抜本的な官製談合防止法の改正にも取り組みます。法律の適用対象に公務員OBも含め、天下り先での談合を防止します。公正取引委員会の権限を強化し、省庁等に対する改善措置要求の提示と受けた側は調査結果を議会等に報告する義務を課します。また、事件ごとに第三者による調査委員会の設置を義務づけます。さらに独禁法を改正し、談合を申告した事業者については一定の条件を満たせば課徴金が減免されるなどの措置を導入することで、談合を摘発しやすくします。

特殊法人・独立行政法人等の改革

特殊法人や独立行政法人等は、国からの補助金や交付金を使って非効率的な事業運営をしていたり、官僚の天下りの受け皿となるなど、様々な問題点を抱えています。特殊法人や独立行政法人、及びこれらに係わる特別会計は、原則廃止を前提に全てゼロベースで見直し、民間として存続すべきものは民営化し、国としてどうしても必要なものは国が直接行います。また、天下り受け入れの見返りに業務独占をするなど、実質的に各省庁の外郭団体となっている公益法人は廃止します。さらに、独立行政法人の税金のムダづかい体質を改めるため、(1)各府省の独立行政法人評価委員会委員、各独立行政法人の監事の独立性向上(公務員出身者による就任を制限)、(2)公募による独立行政法人の長の選任、(3)会計監査人の監査対象となる独立行政法人の拡大、(4)独立行政法人の統合時における資産の鑑定の義務づけ、等を行います。

国が行う契約の適正化(随意契約等透明化法案)

中央省庁等の幹部OBを天下りとして受け入れ、かつ2004年度に国から1,000万円以上の金銭の交付を受けた法人と国とが行った契約のうち、随意契約が占める割合は9割以上であったという事実が2006 年に判明しました。このように天下りを背景とした随意契約が横行しているのは、契約の相手方の天下りの状況や、随意契約・指名競争入札の理由などについて説明する義務が国に課されていないからです。民主党は、国が行う契約の適正化を図るため、「国が行う契約の過程及び内容の透明性の確保等による契約事務の適正化を図るための会計法の一部を改正する法律案」(随意契約等透明化法案)を国会に提出しました。具体的な内容は、(1)国による随意契約、指名競争入札について徹底的な情報公開を義務付ける、(2)随意契約、指名競争入札の厳格化を図る、(3)IT調達を長期継続契約から除外する、などです。

公務員制度の抜本改革

真の行革のためには国と地方のあり方を抜本的に見直し、地方分権をすすめることが不可欠です。民主党は、各省庁や自治体に対して情報提供を求めることができる強力な権限を持った「行政刷新会議」を設立し、国の役割を大幅に限定して事務事業の多くを地方へ移譲するという観点から事務事業の見直しを集中的に行います。国の機関の組織及び定員は行政刷新会議の提言に基づいて抜本的に改めます。大胆な地方分権の結果、国家公務員の定数も大幅に減少し、国家公務員総人件費を3年間で2割以上削減することが可能になります。また納税者である国民の理解を得るため、非常勤の国家公務員人件費及び勤務実態に関する情報公開をすすめます。

労働基本権は労働者本来の権利であり、重要な労働条件などは当事者抜きに決められてはなりません。しかし、日本の法令及び慣行は公務員の労働基本権を制約しており、国際労働機関(ILO)も1965年以降、このような日本の状況がILO条約の規定に違反しているとの厳 しい勧告を出しています。民主党は、公務員の職務の特性に鑑みて特に異なる取扱いが必要となる場合を除き、公務員の労働基本権を回復します。その結果、労働条件は民間と同様、交渉で決められるようになります。それに伴い、一般職の公務員には労働基準法及び判例法理に準じた雇用保障制度を導入します。

政府全体の統一的人事管理及び使用者としての機能を担う担当大臣を置き、同大臣が労働組合との交渉等を行います。また、能力・実績に応じた処遇を可能にする人事管理制度を導入します。

国から地方へ補助金原則廃止、地方分権の推進

中央から地方に支出される個別補助金は、中央官僚による地方支配の根源であり、様々な利権の温床ともなっています。真の地方自治を実現する第一歩を踏み出すため、個別補助金は基本的に全廃し、地方固有の財源を保証する真の地方自治を実現します。中央・地方とも補助金に関わる人件費と経費を大幅に削減して、財政の健全化にもつなげます。

また、地方のことは権限も財源も地方に委ねる仕組みに改め、国会議員も国家公務員も国家レベルの仕事に専念できるようにします。地方分権国家を担う母体を基礎的自治体とし、将来的には、全国を300程度の多様性のある基礎的自治体で構成します。生活に関わる行政サービスをはじめ、対応可能なすべての事務事業の権限と財源を基礎的自治体に対して大幅に移譲します。中央政府の役割は、外交、防衛、危機管理、治安から、食料、エネルギーを含む総合的な安全保障、教育・社会保障の最終責任、通貨、市場経済の確立、国家的大規模プロジェクトなどに限定します。新たなる「国のかたち」に至る過程において、5〜10年間で、国から都道府県に対して大幅に事務事業を移譲するとともに、都道府県が担っている事務事業の1/2程度を基礎的自治体に委譲します。その結果、国と都道府県の役割が大幅に縮小し、基礎的自治体の役割が大幅に拡大されます。

コミュニティの再生・強化とNPO活動の支援

行政だけで住民のニーズを満たせる時代は終わりました。地方分権社会を充実させるためには、基礎自治体内のコミュニティの機能を活性化することが求められています。民主党は、住民が単に公的サービスの受け手となるだけでなく、公共サービスの提供者・立案者といった自治の担い手として参画する社会をめざします。また、コミュニティの中心的な活動主体となりつつあるNPOをはじめ非営利セクターの育成は緊急かつ重要な課題です。民主党は、公益法人制度の見直しともあわせて、これら特活法人の活動が社会にしっかりと根付くための努力を続けます。また、現行の特活法人に対する支援税制については、認定要件が厳しいために、これを利用することができる「認定特活法人」は特活法人全体(約31000)の中でわずか60法人にすぎません(2007年5月1日現在)。民主党は、その認定要件を大幅に緩和します。また寄付金控除制度を大幅に拡充します。

事務所費の透明化はじめ政治改革を推進

政治資金団体のみならず、すべての政治団体の支出のうち1万円を超える事務所費・政治活動費等の支出について、(1)領収書の徴収・保存、政治資金収支報告書への領収書の添付と支出明細の記載などを義務付けるとともに、(2)政治団体が領収書等を保存する期間を現行の3年から5年に拡大します。その他、民主党は、迂回献金の禁止、政治家によるあっせん・口利き不正根絶など政治腐敗一掃の法案を提出しています。

国会議員定数の1割以上削減

政権選択が可能な選挙を実現するためには、小選挙区の重視をよりすすめるべきであり、また、厳しい財政状況を考えても、国会議員には率先して効率化に努めることが求められています。このような観点から、民主党は衆議院の比例議席180中、80議席の削減を提案しており、国会には、こうした内容を盛り込んだ「公職選挙法の一部を改正する法律案」を提出しています。