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民主党サイトアーカイブ

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重点政策50

安全と安心

危険情報公開をはじめとした消費者行政・政策の充実

民主党は結党以来、「消費者」「生活者」「納税者」の立場を代表する党として、常に消費者の視点に立った政策実現をめざしてきました。近年、サービスの多様化・グローバル化が急速に進展するにしたがい、消費者関連紛争が急増していますが、消費者と事業者では情報力や交渉力において大きな格差があることは否定できません。2006年164通常国会では、消費者団体が個々の消費者の利益のために訴えを提起する「消費者団体訴訟制度」を創設するため、消費者契約法の改正が行われましたが、民主党の主張により、裁判管轄地を不法行為地に広げるなどの修正が行われました

また2006年165臨時国会では、消費生活用製品にかかる重大事故につき事業者に報告義務を課す「消費生活用製品安全法」の改正が行われました。しかしながら、かねてより民主党が国会に提出している「危険情報公表法案」は、自動車や回転ドア、公園遊具など、一般消費者に危害を及ぼすおそれのある製品・物品に対象範囲を拡大しているなど、より消費者の立場に立った内容となっており、引き続きその成立をめざします。

なお、支払い能力を超えたクレジット契約や、消費者金融等からの借り入れなどにより、生活苦に陥る事例が多発しています。民主党は、悪質な訪問販売やクレジットの過剰与信問題に取り組みます。また消費者契約やカード利用等に関する知識も含め、消費者教育充実に向けた政策をすすめます。

住宅・乗り物の安全確保

2005年に発生し、107名もの死者をだしたJR福知山線脱線事故をはじめ、各地で多くの被害者を生む交通事故、九死に一生を得た胴体着陸など、鉄道、航空、バス、タクシーなどの公共交通における事故やトラブル(兆候)が頻発しています。民主党は、規制緩和一辺倒で、競争を激化させ、安全を度外視し、労働条件を厳しくしながら利益追求を強いる運輸行政を、根幹から転換します。また、起こってしまった事故やトラブル(兆候)を公正中立に調査するとともに、それらを教訓として、再発防止対策に有効に役立てます。まず、(1)労働条件を含めた運輸に関する安全規制を強化し、(2)それらの社会的規制の遵守徹底を監査・点検する体制を整備するとともに、事故やトラブル(兆候)を調査し、勧告するための組織として、「運輸安全委員会」(仮称)を設置します。「運輸安全委員会」の「機能」は、運行と労働に関する監視、事故とトラブル(兆候)の調査と勧告、被害者支援、経験やデータの蓄積と水平展開です。その「範囲」は、鉄道、航空、バス、タクシー、船舶(運輸事業として、対価としての運賃を収受して、人やモノを輸送する機関)に広がります。

また、耐震偽装問題では、現在も法律違反の物件が発覚するなど、国民に大きな不安を与えています。民主党は再発防止、被害者救済に取り組むため、建築の最終確認は「行政」が実施、建築に関与した全ての人を公開、広告に保険加入の有無を表示――することなどを柱にした法案を提出しています。また、リフォーム詐欺対策などと合わせ、住宅業界における悪徳業者の排除に取り組みます。

迅速な災害対策

災害発生後の救急活動や情報伝達、交通規制や応急復旧などを円滑にすすめるため、国・地方公共団体・警察・消防・自衛隊・民間企業・ボランティア・NPO等の役割分担、協力体制の整備をすすめ、情報伝達システムを確立するなど、民間の諸活動を強力に支援します。あわせて大規模災害時の首都機能のバックアップ体制も検討します。また大規模災害に迅速に対応するため、内閣総理大臣の権限を強化するとともに、「危機管理庁(日本版FEMA)」を活用します。災害による心身的ダメージを被災者が一刻も早く克服するには生活基盤の回復が必要です。「被災者生活再建支援法」について、住宅本体への支援金支給、支給限度額の引き上げ、支給要件の緩和などの改正を行います。全国各地で大規模地震の危険性が指摘されています。特に都市部には、密集市街地が多く、倒壊や火災による被害は甚大なものになると予測されています。このような被害を減らすため、既存不適格住宅の耐震改修をすすめます。

治安、防犯の確保と総合的な銃器犯罪対策の推進

落ち込んだ検挙率を回復させることを目標とし、地方警察官等を増員して「地域・刑事・生活安全」警察機能を拡充します。また地域社会の防犯機能を生かすための支援を行います。「治安・防犯」の確保のためには、新たな捜査手法の確立など警察の捜査機能向上が必要ですが、その一方で警察権限の無節操な拡大は、捜査権の乱用やプライバシー侵害などの弊害が懸念されます。このことにより市民の警察捜査に対する不信や非協力など、結果として治安の向上に悪影響を生じかねません。新たな捜査手法の導入にあたっては、人権に配慮し、市民社会の本旨に反することがないよう運用のルールをしっかりと定めます。また防犯カメラ・Nシステム(自動車ナンバー自動読取装置)・DNA鑑定捜査等ついては、個人情報保護の観点から、設置・運用についての法律の制定を含めた検討をすすめます。

また、愛知県の拳銃発砲立てこもり事件や長崎市長射殺事件など、銃器を使用した凶悪事件が多発しています。平穏な生活の脅威となる銃器犯罪や銃の不法所持を取り締まるため、暴力団関係者等に対する徹底した摘発・検挙、密輸入阻止のための水際対策など、総合的な銃器犯罪対策を強力にすすめます。また、猟銃、競技用銃等の所持許可手続きのあり方について見直します。

取調べの可視化で冤罪防止

公正で透明性の高い刑事司法への改革の一環として、取調べでの自白の強要による冤罪を防止するために、民主党が既に提出しているビデオ録画等による取調べ過程の可視化、取調べ段階における弁護人立会権の確立を柱とする「刑事訴訟法改正案」の成立を目指します。また、刑事裁判での証拠開示の徹底を図る法律を制定します。

人権侵害救済機関の創設

民主党は、国会に「人権侵害による被害の救済及び予防等に関する法律案」(人権侵害救済法案)を提出しましたが、政府が「人権擁護法案」の提出を拒んでいるため、審議ができない状況が続いています。民主党の法案は、内閣府の外局として中央人権委員会、各都道府県に地方人権委員会を設置し、人権侵害に係る調停・仲裁等の手続きを定めるとともに、特別救済手続については、報道機関等を対象としないことを内容としていますが、引き続きその成立を目指します。

共謀罪導入に反対

政府は、国連組織犯罪防止条約批准のための国内法整備として、共謀罪を新設する法案を国会に提出しています。共謀罪は、団体の活動として犯罪の遂行を共謀した者を処罰するものですが、犯罪の実行の着手、準備行為がなくても相談をしただけで犯罪となること、およそ国際性とは無縁な犯罪や重大犯罪とまではいえないようなものを含め619もの犯罪が対象となることなど、わが国の刑法体系を根底から覆しかねないものです。しかし、条約は「自国の国内法の基本原則に従って必要な措置をとる」ことを求めているにすぎず、また、条約が定める重大犯罪のほとんどについてわが国では現行法ですでに予備罪、準備罪、幇助犯、共謀共同正犯などによって犯罪化されています。したがって、わが国は何ら新規立法をすることなく条約を批准できると考えられることから、法案の成立に強く反対します。