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民主党政策集INDEX2009

分権改革

住民に一番身近な基礎的自治体を重視した分権改革を推進し、中央集権制度を抜本的に改め、地域主権国家を樹立します。

当面の5〜10年間は地域主権国家の礎を築く期間とします。地域主権国家の母体は基礎的自治体(現在の市町村)とし、基礎的自治体が担えない事務事業は広域自治体が担い、広域自治体が担えない事務事業は国が担う、という「補完性の原理」に基づいて改革を進めます。

基礎的自治体については、その能力や規模に応じて、生活に関わる行政サービスをはじめ、対応可能なすべての事務事業の権限と財源を、国および都道府県から大幅に移譲します。例えば、人口30万人程度の基礎的自治体に対しては、現在の政令指定都市と同等レベルの事務権限を移譲します。小規模な基礎的自治体が対応しきれない事務事業については、近隣の基礎的自治体が共同で担う仕組みをつくるか、都道府県が担うこととします。権限の移譲に並行する形で、自治体の自主性や多様性を尊重しながら、基礎的自治体の規模や能力の拡大を目指します。また、大都市制度のあり方を検討する一方で、住民と行政との距離を縮めるため、政令指定都市の区や合併前の市町村などを単位とし、一定の権限を持った自治区を設けられるようにします。

国の役割は、外交、防衛、危機管理、治安、食料・エネルギーを含む総合的な安全保障、教育・社会保障の最終責任、通貨、市場経済の確立、国家的大規模プロジェクトなどに限定していきます。その結果、国会議員や国家公務員も国家レベルの仕事に専念できるようになります。国の出先機関である地方支分部局は、その事務を主に都道府県・政令指定都市等に移管することに伴って原則廃止し、国と地方の二重行政を解消します。例えば、現在の地方支分部局の事務事業である河川管理等の広域的対応が必要な事務は、都道府県が連携して対応することとします。

広域自治体については当分の間、現行の都道府県の枠組みを基本とします。都道府県から基礎的自治体への事務事業の移譲に伴い、都道府県の役割は、産業振興、災害対応、河川、基礎的自治体間の調整などに限定されていきます。都道府県等が効率的な運営を図ることなどを目的として、現行制度を前提とする広域連合や合併の実施、将来的な道州の導入も検討していきます。これらについては、地域の自主的判断を尊重します。

その後も基礎的自治体の規模や能力の拡大、広域自治体の役割の整理をさらに図り、将来的には、多様性のある基礎的自治体を重視した地域主権国家を目指します。

地方向けの補助金等は、中央官僚による地方支配の根源であり、さまざまな利権の温床となっています。これらの補助金等をすべて廃止して、基本的に地方が自由に使える一括交付金に改めます。真の地方自治を実現する第一歩を踏み出すため、「ひもつき補助金廃止法」を成立させます

一括交付金のうち、現在の義務教育や社会保障等に関する補助金等に対応する部分は、必要額を確保します。現在の公共事業等の補助金等に対応する部分については、格差是正の観点から財政力の弱い自治体に手厚く配分します。

中央・地方ともに補助金等に関わる経費と人件費を大幅に削減して、財政の健全化にもつなげます。

自治体が住民のニーズに対応した行政サービスを展開できるようにするため、国が法律や政省令によって自治体を縛りつけている実態を改めます。法律や政省令のうち住民の生活に密接に関係するものについては、法律や政省令の規定を廃止する、もしくは地方の条例で変更できる旨や条例に委ねる旨の規定を法律や政省令に設けます。それにより、地域住民の視点に密着した形で事務事業の基準等を決められるようになります。

自治体間の財政格差の拡大、地方の財源不足に対応するため、新たな財政調整・財源保障制度を創設します。

政府が2004年度から3年間で行った「三位一体の改革」で約5.1兆円の地方交付税および臨時財政対策債を削減したことなどにより、自治体間の格差が拡大し、自治体は厳しい財政運営を迫られています。昨年来の景気後退により、今後、地方の税収が大幅に落ち込むことが予想され、地方財政は一層逼迫することが懸念されています。

自治体間格差を是正し、地方財政を充実させるため、地方交付税制度と一括交付金の統合も含めた検討を行い、現行の地方交付税制度よりも財政調整と財源保障の機能を一層強化した新たな制度を創設します。

国直轄事業に対する地方負担金制度は、地方の財政状況や事業の必要性に関わりなく、国が地方に一方的に負担を求めるものであり、地方から批判の声が上がっています。同制度を廃止し、地方の負担をなくします。また、廃止により、各自治体に交付する地方交付税の額が減らないように措置します。これにより、自治体が従来負担金に充てていた財源の使途を自由に決定できるようになる効果も期待できます。

国と地方の協議を法制化し、地方の声、現場の声を聞きながら国と地方の役割の見直しなどの地方分権施策を推進します。

これにより、国と地方の関係を「上下・主従の関係」から「対等・協力の関係」に改めます。

住民投票を地域の意思決定に積極的に取り入れるため、「住民投票法」を制定します。

住民投票は住民の意思を確認するために非常に重要な手段であり、適切に利用すれば代議制民主主義を補完して住民の意思を政治に反映する有効な手段となります。

地域のことを地域で決める地域主権を確立するため、法律等の画一的な縛りを極力撤廃して、シティマネージャー制度の導入、地方議会定数や地方議会議員の任期の変更など、地方が独自の判断で自治体や議会の仕組みを決められるようにします。

自治体の財政の健全性を高めるため、監査委員のうち一定割合の委員を弁護士、公認会計士、税理士から選任する等により、自治体における監査委員制度と外部監査制度を充実強化するとともに、自治体の公会計制度の整備を進めます。

2007年の166回通常国会で成立した地方財政健全化法により、財政状況の悪い自治体は財政健全化計画等の策定を義務付けられることになったこともあり、自治体の財政の健全化は喫緊の課題です。監査機能を充実強化し財政状況を正確に把握することにより、行政の効率化、財政の健全化を促進します。

また、これにより、入札談合事件、裏金問題、不適切な会計処理を契機とした自治体の財政破綻など、地方行政に対する住民の信頼を低下させる事例をなくす効果も期待できます。

自公政権は地方の財政を急激に圧縮したうえに、地方の景気低迷に対して何ら有効な対策を講じなかったため、地方を疲弊させました。昨年来の景気後退は地方経済をさらに危機的状況に追い込んでいます。地方の自由度を大幅に高めるとともに地方が自由に使える財源を確保することで、地方が主体の地方再生等を支援します。

さらに、国として農林畜産漁業・中小企業の再生等による地方における働く場の確保、医師不足対策の導入等によるセーフティーネットの再構築、暫定税率廃止、高速道路の無料化等による生活コストの削減などに取り組み、過疎地などを活性化して、地方の暮らしの安心を取り戻します。

民主党の地方再生に結びつく主な政策

農業者戸別所得補償制度の導入
畜産・酪農を対象とする所得補償制度の導入
野菜・果樹等に対する新たな支援措置の確立
資源管理の強化と「漁業所得補償制度」の創設
「森林管理・環境保全直接支払制度」の導入による森林吸収源対策等の確実な実行
直接支払いを通じた農村集落への支援
漁村集落の活性化
木材産業の活性化と木質バイオマス利活用の推進
農山漁村の「6次産業化」
中小企業憲章の制定
公正な市場環境の整備・「中小企業いじめ防止法」の制定
中小企業の技術力の発揮と向上
地域の産業と雇用を守る中小・小規模企業支援税制
地域経済の活性化
医師養成数を1.5倍に増加現役医師の有効活用策で医療従事者不足を軽減
地域医療を守る医療機関を維持
若年層から中高年層まで職業能力開発支援
・暫定税率の廃止(自動車関連諸税の整理、道路特定財源の一般財源化、地球温暖化対策税道路行政等の抜本改革
高速道路の無料化

住民が単に公的サービスの受け手となるだけでなく、公共サービスの提供者・立案者といった自治の担い手として参画する社会を目指します。特に、地域で行われている高齢者宅の見回りなど、地域住民同士が互助互恵の精神で行う奉仕活動を促進し、過疎地などのコミュニティを再生・強化します。

さらに、コミュニティの中心的な活動主体となりつつあるNPOが自立的に活動できるよう、税制改革等を通じて財政基盤強化のための支援を行います。

国民のニーズに合った公共サービスの提供、国・自治体・企業・NPO等の適切な役割分担の実現という課題を解決するため、公共サービス基本法を制定しました。

法律の内容は、(1)国民が「良質な公共サービスを享受する権利」等を有していること(2)国・自治体は国民の意見を踏まえて自らの公共サービスを不断に見直すこと(3)国・自治体は安全かつ良質な公共サービスを提供できるようにするため、公共サービス従事者の労働環境の整備に努めること――などです。

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この政策集は、民主党の政策議論の到達点を2009年7月17日現在でまとめたものです。

民主党政策集 INDEX2009
発行日 2009年7月23日
発行 民主党